Overseas
2014年10月号掲載
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モヤッとしているんだけれど、聴いていてなんだかスッキリする―― 今作にそんな矛盾した印象を与えている所以として、喉の奥につかえている鬱蒼とした気分を吐き出すように歌うフロントマン、Elias Bender Rønnenfeltの存在が大きいだろう。過去作と比べて、彼の変貌ぶりをありありと感じられるのは、歌詞を包み隠すことなく聴き手へと直接投げかけるようになったという点。サウンド面でも、特有のダークさは健在でありながら、管楽器とヴァイオリンを取り入れた「Forever」、アップ・ビートなカントリー・ナンバー「The Lord's Favorite」など、ポスト・パンク色の強かった過去2作での激情を洗練された音楽へと見事に開花させている。バンドの音楽的野心が結実した快作。(奥村 小雪)
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