Japanese
2014年07月号掲載
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夏って不思議な季節だ。海とかプールとか夏休みとか、弾けるような楽しみがたくさんあるはずなのだけど、思い浮かべようと思うといつもぐにゃりとイメージが歪む。倦怠的というか、ノスタルジックというか、モラトリアムというか......この夏のイメージ、伝わるだろうか? 個人的に、こんな夏のモラトリアムを最も体現しているアルバムはNeil Youngの『渚にて』だと思っているが、この小島麻由美の『渚にて』も相当だ。音楽的には60年代ポップスや昭和歌謡を咀嚼した、レトロ、だけどモダンなポップ・サウンド。可愛らしいけどちょっと歪なそのサウンドに乗せて、暑さに溶け出すアイスクリームのように甘くてドロッとしたひとりの女の心象風景が歌われていく。暑すぎて何もしたくない日にひとりでぼーっと聴きたいな。(天野 史彬)
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