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DISC REVIEW

Overseas

2014年06月号掲載

Are We There

ねっとりした歌声で歌うメランコリックな歌の数々に充満する息が詰まるような緊張感を考えると、誰が聴いても楽しめる作品ではない。しかし、その存在感は圧倒的。いや、この4作目のアルバムでさらにスケール・アップしていると言ってもいい。USインディーのミューズと謳われるブルックリン出身の女性シンガー・ソングライター。ざっくりとした質感のサウンドを求めながら、アンビエント調からピアノの弾き語りまで、曲ごとに趣向を変える多彩なアレンジが作品全体に作りだした起伏のある流れもスケール・アップを印象づける理由の1つだろう。ゆったりとしたグルーヴを描きながらバンドがダイナミックな演奏を繰り広げるTrack.3「Your Love Is Killing Me」は、往年のPatti Smithを彷彿とさせる。(山口 智男)