Japanese
2014年04月号掲載
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ロックとは騙された者勝ちの音楽だ。このくだらない世界で、たった一瞬でもハイな気分を味わうために自分を騙す――それがロックの本質。その点で、テスラは泣かない。はロック・バンドとして圧倒的に正しい。自分たちを上手く騙しているし、リスナーを騙そうとする気概もある。このメジャー・デビュー・ワンコイン・シングルの表題を飾る「Lie to myself」は、彼らが標榜する"マグマロック"という言葉に相応しい1曲。緊張感のあるピアノの旋律に爆発力のあるギター、ベース、ドラムが絡み合うダイナミズムは、まるで本能が理性を凌駕する瞬間のカタルシスそのもの。この曲が鳴っている間は、今お前が身に纏っている苦悩も嘘も矛盾も、すべて解き放って忘れてしまえと言わんばかりの頼もしい吸引力。最高。プロデュースはクラムボンのミト。 (天野 史彬)
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