Overseas
2013年10月号掲載
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エクスペリメンタル・ノイズ・ミュージックと言っても決して難解でもないし、もちろんノイズ=雑音でもない。ロンドン・オリンピックの開会式で曲が使われ、ファンを驚かせたブリストルのデュオが4年ぶりに放つ3作目のアルバム。全曲インストながら、パーカッシヴなドラムを打ち鳴らしたり、ホラー映画のサントラを思わせるシンセ・サウンドがあったり、ダンサブルなビートを弾ませたり、インダストリアルなサウンドがあったり、シューゲイザーばりに轟音ギターを奏でたりと曲ごとに趣向を変えながら胸がすくようなカタルシスを味わわせる。その意味ではどんなロック・バンドよりもロックらしい。全体的に、やや陰鬱な印象はあるものの、音楽に変なこだわりを持っていないリスナーほど楽しめるに違いない。(山口 智男)
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