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デビュー前は日本発のチルウェイヴ・バンドとしてPitchforkやFADERといった海外メディアにも取り上げられたHOTEL MEXICO。東京のレーベルCuz Me Painとの共同企画も定期開催する彼らを、チルウェイヴ以降の欧米のインディー・シーンと共振する、先鋭的な国内インディーの先駆者として位置づけることは簡単。ただ、2年ぶりの新作となった本作を聴くと、そうした位置づけがとても表面的なものに思えてしまう。音楽的レンジの広さと洗練されたポップネスを持った彼らの音からは、シーンという枠組みを越えたところで独自の桃源郷を夢想するような、不敵なアティチュードが見え隠れする。他人にあてがわれた城に興味はない。自分の居場所は自分自身でしかないことを、このバンドはよくわかっている。(天野 史彬)
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Skream! 2024年09月号