Japanese
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前作『erie』から半年で届けられた2ndミニ・アルバム『トロイメライ』。今作は制作が前作とほぼ同時進行で進めていたということもあり、正直バンドの明確な革命や進化を提示する作品ではない。しかし彼らの持ち味である叙情的でエモーショナルなサウンド、繊細な世界観は更に深く表現されており、人間という強く弱い生き物をerieとしてしっかりと描いた生々しさに満ちたミニ・アルバムになっている。結成当初に作られたという「枯花」は、結成時の衝動とバンドの成長が合致したまさに今のerieの名刺代わりになる楽曲。そして「最初の喪失」の狂気すら感じるサウンドはこのバンドの類稀なるポテンシャルを滲ませる。形骸化した“エモ”に警鐘を鳴らすフィジカルな作品だ。(伊藤 啓太)
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