DISC REVIEW
Overseas
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BATHS
Cerulean
WASHED OUTにしても、Toro Y Moiにしても、命の輝きを垣間見るような、一瞬の煌めきというものを目の前に放たれてしまうと、もうどうにもならない。涙線がどうのこうのの前に、そもそもそんなものの存在さえ忘れ、魂のみがそれに共鳴しているかのような、なんとも根源的な部分が目を覚まし、反応してしまう。そしてただただ立ちすくむのだ。本アーティストBATHSは本作発表時なんとまだ21歳。そんな、彼の描く音もまた、前述のアーティストと同様に、ただこの身の周りをたゆたうだけのアンビエント・ミュージックであるのにも関わらず、その音は官能や神秘の秘薬のように、私たちを呪縛し支配する。これは、単にその途方ない眩しさと美しさによってもたらされるオーガズムのようなものなのか…。





