Overseas
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90年代、00年代において、常に飽くなき実験精神を実践してきたテクノ・ユニットAUTECHREによる最新作。僕は、賛否両論が分かれた2000年代に発表されたアルバムについては、正直あまりよく分からなかった人間だ。聴いていて、逃げ場がないような気分になってしまった記憶がある。その頃のAUTECHREのストイックな実験精神が辿り着いた無機質で抽象的な音はここにはない。この新作では、アンビエント的な要素も感じられる音の美しさが何よりも重要なポイントとなっている。一音一音、そして広く使われる空間に温もりと艶が満ちている。(僕が知る中では)これまでのAUTECHREの中で最も美しいアルバム。当時の彼らについていけなかった僕のような人には、是非聴いてもらいたい。(佐々木 健治)
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Skream! 2024年09月号