Japanese
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柔らかいアコースティック・サウンドに乗せて、人の心にスッと入り込むウミネコサウンズ=古里おさむの歌。それは一見、何の変哲もないシンプルなもののようで、とても手の込んだ職人芸のようなものだ。歌そのものの良さを活かす、仕事。何もしないわけでもなく、安易な装飾を施すのでもなく、例えば「宇宙旅行」でもメロディを際立たせながらも、その歌の背景にそっと宇宙を描き出すようなサウンド・アレンジ。USインディの手触りが感じられる「顔」でそっと琴線に触れるようなピアノの音色。シンプルでありながらも、過不足がないウミネコサウンズのセンスには、歌を聴き手に最良の形で委ねようとする強固な意志が感じられる。もちろん、それも素材となる歌の良さがあってこそ。素晴らしい歌が詰まったミニ・アルバムだ。(佐々木 健治)
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Skream! 2024年09月号