Overseas
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THE BATTLES のリーダー、Tyondai Braxtonの新たなソロ・アルバムの機軸は、ずばりクラシック!残念ながら、僕にはクラシックについての教養がほとんどないので、このアルバムがクラシックという枠組の中でどうなのかは分からない。ただ、クラシックを彼のやり方で再構築する前半と、カオティックなビートと歌が入り乱れる不穏な後半まで、その隅々に彼の尋常ではない拘りが感じ取れる。そして、クラシックというと身構えてしまうが、ここで鳴る音は驚くほどにポップだ。前衛的過ぎる現代音楽はあまり理解できないが、緻密に計算された一音一音が豊かな表情を持つ音楽へと昇華されていく本作は素直に楽しめる。現代音楽やクラシックという枠を軽やかに取り払ってしまう、高貴でありながらポップなアルバムだ。(佐々木 健治)
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Skream! 2024年09月号