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北欧の誇るエレクトロ・ポップ・ユニットは、結成10周年目にして新たな季節を迎えた。 一聴してまず、これまでにないほどの多幸感に満ちた耳触りに驚かされる。冒頭を飾る「Happy Up Here」は、あの「Eple」が躁転したかのような、ちょっと笑っちゃうくらいキャッチーなナンバー。それ以降も、陽気でポジティヴなムードが全編を包み、冷ややかなムードだった前作とは印象がガラッと異なる作品になっている。疲弊しきった時代の空気を吹き飛ばすように。 ROYKSOPP特有の魔法、どこか懐かしく浮遊感のあるメロディはもちろん健在。しかし、これまでは白昼夢の世界に誘うようにそれが作用していたのに対し、本作は現実を塗り替えるような作用を持っている。冬の時代を春に変えていく、異化作用だ。(榎山 朝彦)
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Skream! 2024年09月号