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INTERVIEW

Japanese

Loiro

 

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Member:RURI(Vo/Gt)

Interviewer:山口 智男

-さて、LoiroはRURIさんのやりたいことの中のひとつということなのですが、Loiroとしては今後、どんなふうに活動していこうと考えているんですか?

お互いに曲を作るので、交互に出していけたらいいなとは思っています。アルバムも全6曲だったら、3曲ずつ雰囲気ばらばらの曲をやってみたいです。

-こんな方向性でというのは決まっているんですか?

今、K-POPが強いじゃないですか。K-POPって日本の音楽と洋楽を足して2で割ったというイメージがあるので、それにプラス日本のロックのバンド・サウンドをギターとか、スラップ・ベースとかで入れこむ感じで。そういう音楽ってあまりないと思うんですよ。それで新しいものに古い要素を持ってくるという意味で、"Old New"というコンセプトを掲げているんです。「GOD」もギターは、おじさんが弾きそうなフレーズなんですけど、あえてそうしているんですよ。

-おじさんっぽいというか、フュージョンっぽい(笑)。

新しい洋楽とJ-POPを足したところに、ベースとギターをメインで持ってくるみたいな曲をやっていきたいんです。

-Satoさんが作った「POP's」はディレイを掛けたギターのキラキラした音色が、フュージョンっぽい「GOD」とはまた違っていて。

そのギターはTakuma君がデモでもう弾いていたんですよ。そういうふうに弾いてと言われたんです。ただ、彼はベーシストだから、ギター・フレーズに存在しないコードが入っていたので、それは変えましたけど、音色は彼のリクエストでした。彼が作るとギターらしくないリフになるところが面白いです。

-お互いに曲を送り合っていたとおっしゃっていたから、「GOD」と「POP's」以外にも曲はあると思うんですけど、その中からまずその2曲を配信したのは、どんな理由からだったんですか?

それまで送り合っていた曲は、どちらかというと落ち着いた曲が多かったんです。でも、デビュー曲は一生残るから、マジで尖っていたほうがいいという話になって、それぞれにデビュー曲に相応しい曲を作り始めたんですよ。

-それが「GOD」と「POP's」だった、と。Satoさんとはどんなところで気が合うんですか?

Takuma君は世界観が私よりも独特な人間なんです(笑)。彼も大人に揉まれて逃げたことがあるんですよ。だから、狼ちっくなところが似ているのかなと思います。お互いに基本、一匹狼っぽいんです。

-同い年じゃないですか。ライバル心はあるんですか?

いえ、性別も楽器も違うんで、なんとも思っていないです(笑)。

-ユニット名のLoiroはどういう意味なんだろうと思って調べたら、ポルトガル語でブロンドとか、毒舌とかって意味があることがわかったんですけど、ほんとは呂色塗りという漆の塗りの技法から付けたそうですね。

Takuma君も私も黒い服が多いんですよ。使っている楽器も含め、基本的に黒が好きなんです。それで、色の名前がいいねってなってふたりでいろいろ調べているときに、私がたまたま見つけた呂色=Loiroがいいねとなったんですよ。

-黒い色で、艶があって、磨き上げているとイメージがLoiroの世界観にぴったりだったわけですね。

ふたりとも年齢のわりに、いろいろなヤスリにかけられてつるっつるなんで(笑)。でも、毒舌なんて意味があるんですね。幸せみたいな意味じゃなくて、逆に良かったです(笑)。

-RURIさんが曲を作るときに大事にしていることは?

構成です。どんなに洋楽の要素を入れても、日本の音楽が持っているAメロ+Bメロ+サビは守りたいんです。そのうえで起承転結の中に盛り上がりとギター・ソロを入れることは意識しています。

-歌詞はいかがですか?

1回読んだだけでわかるような歌詞は書きたくなくて、縦書きにしたい歌詞を書きたいんですよ。歌詞というよりは、詩というイメージです。あと、「GOD」は英語だから入れましたけど、日本語だったら題名やテーマを歌詞に入れたくないというこだわりもあります。例えば、"好き"ってテーマで書いたとしたら、好きという言葉は歌詞には絶対使いません。

-それはなぜ? 逆に1回読んだだけでわかるような歌詞を書くという考え方もあるじゃないですか。

高校生の頃まではそうだったんですけど、大学で小説を専攻したとき、教授が言ってたんですよ。どの世代の誰が読むかわからないんだから、読んだ人が同じことしか考えられないようなものを書いたらつまらない。音楽も同じだと思いました。聴いてくれる方の年齢層が偏ったとしても、それぞれに考えることは違うじゃないですか。1回聴いただけで、こういうことを歌っているんだってわかったらつまらないと思う人もいるかもしれない。だったら、例えば恋愛にも思えるし、夢にも思えるし、いくつかの捉え方ができるような歌詞のほうがいいと考えるようになったんです。

―歌詞と曲、作るのはどっちが得意ですか?

得意なのは曲ですけど、好きなのは歌詞です。歌詞をじっくり考える時間のほうが心地いい。楽しいんですよ。曲と言葉が同時に出てくるときもありますけど。

-さっきもおっしゃっていたように今後はLoiro、シンガー・ソングライターとしてのみならず、いろいろなことをやっていこうと考えているんですよね?

そうですね。経験を生かしたいというか、無駄に生きてきたわけでないというか、自分をいろいろな人に使ってもらいたいんです。

-オファーを貰ったら、それに合わせてなんでもできます、と。

できることならなんでもやります。それこそモデルとして、写真に撮られるだけでもいいんです。たまにそういうお話も貰うんですよ。洋服を着てくださいって。そういうこともやっていきたいです。これまでできなかったぶん、ほんとにいろいろなことをやっていきたいんですよ。

-あぁ、なるほど。作家としてこのアーティストに提供してみたいという希望はありますか?

えっ、誰だろ? アニメが好きだったせいか、高校時代に作った曲はアニソンっぽいって言われることが多かったんです。だから、アニソンを歌っている人に歌ってほしいというのはあります。声優さんや、LiSAさんに歌ってもらうのは夢のひとつかもしれないです。

-先日、Loiroはインスタライブをやっていましたが、引き続きライヴもやっていこうと考えているんですか?

そのうち小さくても、フェスみたいなところで、いろいろなアーティストが出演している中で始められたらいいかなとは思っているんですけど、Takuma君も私も個人活動が忙しくなってきたので、しばらくは曲作りとシングルを配信することで精一杯かな。ありがたいことに、今海外を含め、曲を提供するお仕事が増えてきたんですよ。

-海外もですか?

そうなんですよ。私もびっくりしているんですけど、中国人のアレンジャーさんのコネクションで、中国の新人アーティストに曲が使われるかもしれないんです。なので、お互いに合間を縫って、自己表現はLoiroでやっていこうと考えています。『GOD / POP's』のミックスをやってくれたNaru君も作家として活動を始めて、今度、彼が作った曲を私が歌う予定なんです。その曲はNaru Feat. RURIとして配信されると思います。