Japanese
THIS IS JAPAN
2020年08月号掲載
Member:杉森ジャック(Vo/Gt) かわむら(Dr/Cho)
Interviewer:稲垣 遥
-バンド主催のオンライン・フェスも、実施されたのが5月頭でまだ周りはあまりしていないときだったので、インパクトがありましたけど。
かわむら:たぶん我々はそんなに深く考えてなかったからできたのかもしれないですね。
-とりあえず仲間を集めてやってみようみたいな。
かわむら:そうですね。フラットに楽しいことをやれたらいいなぁっていう。
杉森:うん。純粋にやったことなかったし。まず弾き語りもあんまやってなくて、弾き語りのフェスを自分たちで企画することも今後あんまりない気がして。そういう意味で面白いことをやれてるなって部分はありました。
かわむら:我々は杉森が弾き語りやってても観に行かないんで、観れて良かったです。
杉森:全然観に来てくれないから。
-(笑)あのときだからこそ思いついたし、できたことなんですね。そのあと5月10日には「HEARTBEAT」も発表されました。この曲は2016年に杉森さんが作った曲ということですが、このタイミングでリリースしようとなったのはどうしてだったんですか?
杉森:もともと当時ライヴでもやってた曲で、曲っていい曲じゃないとライヴでもやらなくなっていくと思うんですけど、「HEARTBEAT」はライヴで結構長い間やってたし、レコーディングもしてたんです。でも、いい曲だけど、アルバムのテイストを考えてハマるタイミングがあんまりないなっていうことで、イメージとしては冷凍保存してあった曲なんですよね。で、こういう状況になってレコーディングとかも計画通りいかないかもっていう状態で、出せるものがなんかないかなと考えたときに"あっ。そういえば「HEARTBEAT」録ってたな"と改めて聴いたら結構良かったんですよ。
-良かったというのはどういうところが?
杉森:歌詞がすごく前向きだったんですよね。今の自分たちの背中を押してくれる、聴いててバンドっていいなってなるというか、ロックの力というか。"元気になれ"って言ってるわけじゃないけど、元気になる力がある気がしたから、ちょうどいいタイミングだなというのでリリースしましたね。
-まさに、音楽をバーンとみんなで鳴らせないという真っただ中に、歌詞もメロディもまっすぐに届く、素直な曲だなぁって。また、MVは途中で中止になってしまったツアーの映像だけで構成されているというのも粋でしたが、この映像はこのために撮っていたものなんですか?
杉森:いや、留置太輔君という俺らは"とめちゃん"って呼んでる人がいて、彼が一緒にツアーを回って動画を撮ってくれてたんです。もちろんファイナルがあることを想定して撮っていたので、途中でまさかこうなるとは思ってなくて。"この映像めっちゃいいのに、もったいないな"っていうのはメンバーもスタッフも誰もが感じていたところだったんですよ。で、リリースあるよ、でもMVまだまだ撮影できる状況じゃないよとなったときに、これしかないなってぴったり目的と手段がハマったというところですね。
-ドラマチックですね。
杉森:すごく気に入ってるところが、ライヴの映像って俺らをメインで映すのが一般的かなって思うんですけど、とめちゃんの映像はライヴの概念というか、オーディエンスとかを主軸に据えているような映像に感じられたんです。そういう意味でもぴったりだなぁと。
-そして、先日7月7日には渋谷WWW Xで初の配信ワンマンを開催。私も現場に行かせていただきましたが、4ヶ月ぶりのライヴにもかかわらず、キレッキレで、ライヴってこうだよな! というのがまずくるいいライヴでした。
杉森&かわむら:ありがとうございます!
杉森:かつてやったことのない環境で、しかもWWW Xもやったことないハコで、初めてのことが多いんだけど、ライヴ自体はずっとやってたのを久しぶりにやるぞっていう特殊な状況だったので、やっぱり緊張はしましたよね。俺あんまり緊張しないタイプだと思ってたんですけど。2部構成の内、1部のときはいい意味で緊張感がすごくあるなかでライヴしてましたが、やっぱ楽しかったですよ。
-フロア・ライヴっていうのもなかなかないですしね。
杉森:そうですね。配信ライヴっていつものライヴと同じような尺度のものを見せても、そりゃあ生のライヴのほうがいいじゃんとなっちゃうなとは思ったんです。とめちゃんがいる映像チーム"TOKYO COLORS TEC"や、VJの和田(一基)さんが入ってくれて、今まで見せたことのないものが見せられるので、そういう意味でフロア・ライヴを選択したのは良かったなと。
-現場で見てても、音響さん、カメラマンさんやVJさん、スイッチャーさんなど、本当にチーム一丸となってやったことのないことに挑戦している感じがありました。映像としても目が離せないものになっていましたし。かわむらさんは振り返ってみていかがですか?
かわむら:今杉森が言った、普段のライヴとは違う配信ライヴっていうのも意識してやったんですけど。演奏して音を合わせて、スタッフであろうが観てくれる人がいて、カメラの向こうにお客さんがいらっしゃって......というのを考えるとやってる感覚としてはそのままライヴなんですよね。配信ライヴだから演者側がつまんなくなるっていうのはほぼなくて。さっき"自粛楽しかったっすね"とか言ってましたけど、やっぱりこの感覚は久々で、"これはなかなか失えないなぁ"って気持ちになりましたね。
-ライヴの良さを改めて実感したと。オンライン・フェスで弾き語りとか、バンドでもトークで出演したと思うんですけど、それとはやっぱり全然違うというか。
かわむら:オンライン・フェスに至っては杉森以外、音楽活動1個もしてないですからね。
杉森:ははははは(笑)!
-オープニング・トークみたいな感じでしたね(笑)。
かわむら:そうですそうです(笑)。楽屋にずっといた状態だし。
杉森:たしかにそうだね。
かわむら:なので、久々に音楽活動を楽しめた感じですね。
-杉森さんが"生きてるって感じる"と言っていたのも印象的でした。
杉森:かわむらが今言ってくれましたけど、自分たちの練り上げた"生きてる"ってやつを放出して、相手がそれを受け取ってくれたらなんでもライヴなんだなという。弾き語りのときもちょっと思ったんですけど、やっぱり4人揃ってチームがいると本当に"生きてるなぁ~!"っていう感じはしましたね。まぁ、"他死んでるなぁ~"とも思いましたけど(笑)。
-(笑)今までは死んでいたんだって気づいたんですね。
杉森:うん。なんだかんだ言って(自粛も)楽しんでたつもりだったけど、やっぱこれが一番楽しいなぁって思いました。
-あと、新しくレーベルメイトになったPOLYSICSのハヤシ(Gt/Vo/Syn/Prog)さんも、熱心に配信ライヴを観ていらっしゃったようですね。
杉森:あー! 嬉しかったっすねあれ。
かわむら:ありがたいっすねぇ。
-"レーベルメイト"って言ってくれているのがまた嬉しいですよね。
杉森:ね。初めて言われた言葉かもねぇ。
かわむら:めっちゃ嬉しいよね。いやぁすごいことですよ。我々POLYSICSはずっと昔から観させていただいているような立場なので、そんなハヤシさんみたいな方が、ちゃんと音楽人というか、同じ立場で観てくれているのが、嬉しいのもあるし、まぁ怖いのもあるけど。
杉森:あははは(笑)。
-チェックされているなっていう。
かわむら:対等で、もう言い訳できないんだなっていうのはありますね。
杉森:事前に(TwitterでTHIS IS JAPANの配信ライヴを観ることを)つぶやかれていたので、より身が引き締まりましたね(笑)。
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