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INTERVIEW

Japanese

Bamboo

2019年12月号掲載

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Member:ちなみ(Vo/Gt) 大吉(Gt) 匠(Ba)

Interviewer:山口 哲生

-面白いと思います。いろいろと模索しながら進んでいくなかで、高校生のときにコンテストでグランプリを獲得したり、"マイナビ未確認フェスティバル2019"のファイナリストに選ばれたりと、周りから注目を集めることも多かったと思うんですが。

ちなみ:高校のコンテストに関しては、"あのときはめっちゃ青春してたな~"みたいな感じですね。都大会でも全国大会でもグランプリっていうバンドは今までいなかったから、すごいな~とは思うけど、いつまでも過去の栄光にすがってる感じになるから、自分たちではあんまり言わないしね(笑)?

匠:そうだね(笑)。

ちなみ:この前の"未確認(マイナビ未確認フェスティバル2019)"は、ファイナリストにはなったけど、グランプリではなかったので。でも、ファイナリストになったのは嬉しかったですね。

匠:とりあえず新木場(STUDIO COAST)に立ちたかったところはあったよね(笑)?

ちなみ:そうそう。あそこに立つことでひとつの達成感は感じちゃったっていうか。あわよくば100万円欲しかったな、みたいな(笑)。

大吉:ラジオで自分たちの演奏を聴いたんですけど、良かったよね(笑)?

匠:めっちゃ良かった! 何回も聴きたくなる(笑)。

-自分たちがやれることはやったけれども、グランプリが獲れなかった悔しさみたいなものとかは?

匠:そういう感覚みたいなものは結構あるんですよ、昔から......。高2のときの新人戦は奨励賞しか獲れなかったんですよね。それがものすごく悔しくて。"いや、絶対に俺らのほうがいいじゃん!"っていう。で、次は絶対に獲ったると思って......自分たちであんまりこういうこと言うのもアレですけど(苦笑)、高3のときに優勝したことに関しては、優勝するためにいろんなことはしたかなと。練習とかも他の人が絶対にしないような練習をしてきたし、いろいろな場面も想定して、その対応も考えての結果だったので。

大吉:普段からいろんなことを仕掛けているのに、普段はあまり見てくれない人に限って、そういうときにすごくいろいろ言ってくれるんですよね(笑)。そう言ってくれるのは純粋に嬉しいんですけど、もっとやってるんだけどなっていう気持ちもあって。そういう気持ちがバネになっているところは、昔も今もあります。そういう泥臭い感じ、チクショー! っていう気持ちはどんなときもあるかなと思いますね。

-たしかにBambooの曲って、ポップさはしっかりあるんだけど、どことなく泥臭さみたいなものがありますよね。

ちなみ:そういう味は大吉が出している気がする。

匠:うん。アメリカンというか、ちょっとソウルフルなニュアンスは彼が出してます。

ちなみ:そこのあたりをいいって言ってくれるのは嬉しいです。私としては楽器隊が褒められるのが嬉しいんですよ。バンドってヴォーカルが華って言われがちだけど、そういうところにポイントを当ててくれる人は、ちゃんとBambooのことを聴いてくれているなと思います。

-あと、ポップな雰囲気はありつつも、これってライヴで聴いたら激しいんだろうなっていうのが曲から滲み出てますよね。この人たち、結構暴れたいタイプなのかな? っていうのは、特に弦楽器隊から感じます。

匠:わりと楽しくしていたいかなっていうところはありますね。演技的に動く感じではなくて、自然と身体から溢れて踊り出したくなるというか。それを音でも身体でも表して、そうやって楽しんでいるのがお客さんにも伝わればいいかなと思ってます。

-大吉さんは、たまにメタラーの血が騒ぐ瞬間もあります?

大吉:ポップを通して、自分が好きだったものとか、現在進行形で好きなものとかをステージの上で表現しているみたいな感じですね。激しい感じがするのはその結果じゃないかなと。だから、たぶん血が騒いでるんだと思います(笑)。

ちなみ:でも、ふたりはもっと前に出ていいんじゃないかなと思うんですよ。意外と控えめなときのほうが多いと思う。

-まさかのダメ出しが(笑)。

ちなみ:ははははは(笑)。

匠:すみませんね(笑)。

ちなみ:私からしたら"この人たち本当はもっとすごいんだよ! 今日は調子悪いだけなの!"みたいな感じなんですよ。いいときがたまにあるんですよね。

匠:まだまだムラがありますね。そこは全員ですけど(笑)。

-では、最新シングル『月光』についてお聞きしていこうと思うんですが、表題曲はかなりセンチメンタルな曲ですけど、それこそライヴで聴くとエモさがグっと込み上げてくる曲だなと思いました。

ちなみ:これは私が作った曲なんですけど、"切ないラヴ・ソング"を作ってみようと思って。"月光"っていうタイトルの曲を作りたいなと考えて、まず、パっと思い浮かんだのが"月明かり見つからぬように"というところで、そこから男女のすれ違いを描いたんですけど、切なくて苦しい胸の思いを曲の中で表現できたかなと思いますね。

-いつも曲を作るときは、ちなみさんが弾き語りで持ってくることが多いですか?

ちなみ:そうですね。

匠:1番だけおおまかなものを持ってきてもらって、2番以降の展開はみんなで考えていくっていう感じです。

-匠さんと大吉さんは、「月光」をアレンジしていくにあたってどういうことを考えていました?

匠:この曲に対する印象って、それぞれ持っているものが若干違うと思うんですけど、整合性の取れる範囲で、それぞれが思うものをうまい具合に詰め込められればいいかなと思ってました。僕としては、それこそ言っていただいた通り、センチメンタルだけど、ちょっとエモいラヴ・ソングだなっていう感じがして。ただ、ダークな感じはあるけど、やっぱりポップというか、歌モノ的な要素が強いから、もう1アクセントあるとおいしいだろうなと思って、2番のAメロのあとにちょっとシューゲイザーっぽい感じの、ちょっと飛ばしているセクションを作りました。

大吉:最初はとにかくいろんなものを入れていったんですけど、レコーディング直前ぐらいに結構イジったんですよ。尺を短くしたりして。そしたら、最初に思っていたちょっとパワフルな感じが昇華されたというか。壮大で、本当にひとつの物語みたいな感じになったなと思います。

-歌詞としては、最初に歌い出しが出てきたとのことでしたけど。

ちなみ:初めてラヴ・ソングを作ったので、最初はバンドに持っていこうかどうしようかすごく迷ったんですよ。でも、自分の中で忘れられないいいメロディだなと感じたので、これはバンドでやったほうがいいなと思って、恥ずかしかったけど投下しました(笑)。