Japanese
The Whoops
2019年06月号掲載
Member:宮田 翔平(Gt/Vo) 森 雅実(Ba/Vo) 須長 宏紀(Dr/Cho)
Interviewer:蜂須賀 ちなみ
-いくつかの曲について訊かせてください。まず「Soda」。この曲では森さんもヴォーカルをとっています。
森:基本的には宮田さんが作ってくるので......だからVOCALOID的な感じですよね。
須長:音域狭いな(笑)。
-宮田さんが歌う曲と森さんが歌う曲では、作り方も違ったりするんですか?
宮田:いや、そんなに違いはないですね。でも......僕は曲を作ってるときに、頭の中で誰かが歌ってるのを想像しがちなんですよ。そのときになんとなく女性の声で唄ってるイメージが浮かぶと、"あ、この曲は森ちゃんが歌った方がいいのかな"って思ったりはします。今まではそういうイメージが浮かんでもいったん置いといて自分の歌う歌ばっかり作ってたんですけど、『Citrus』(2017年リリースのミニ・アルバム)の「バイバイ」の反響が良かったので。手札を増やすという意味でも、森ちゃんヴォーカルの曲は今後も作っていきたいですね。
-須長さんが今後ヴォーカルをやる可能性は......。
須長:いや、俺、自分の声が嫌いなんですよ。それに、ドラム叩きながら歌うのは無理だよ。
森:じゃあヘッドセット買おうか。
宮田:その曲のときだけ別のドラムを入れるのもいいんじゃない?
-本当にThe Whoopsはなんでもありで楽しいですね。4曲目の「手紙」は宮田さんの弟さんが作った曲だとか。
宮田:そうなんです。弟は、アルキツカレテというバンドでギターをやってるんですけど、もともとヴォーカルをやってたバンドがあったんです。「手紙」はそのバンドの曲なんですけど、バンドも解散しちゃったし、音源も残ってなくて。
森:そのまま葬り去られるのが嫌で救済したんだよね。
宮田:そう。コードや歌詞を教わったわけじゃないんですけど、1回だけライヴで観て、その曲のことをずっと覚えてたんですよね。なので、Cメロだけは僕が作ったんですけど、歌詞や基本的なメロディは弟が作りました。Aメロもおざなりにしてないというか、全部がサビっぽいところが好きなんですよね。スッと入ってくる感じがあって。
-通して聴いたときに全然違和感がないんですよ。前情報がなければ普通に宮田さんの作った曲だと思ってしまうくらいで。
宮田:逆輸入みたいなところはありますよね。弟は完全に僕の影響を受けながら曲を作ってるので、それがまた戻ってきたみたいな。こういうメロディが好きだっていう感じ方がたぶん同じなんだと思います。
-「行方」はありそうでなかった雰囲気の曲だなと。
宮田:まず僕がミスチルを彷彿とさせる曲だなって思いながら持っていって、それをみんなで"せやな"って言いながら作っていって。
須長:「行方」はめっちゃ考えましたね。僕普段は結構手数が多いんですけど、この曲では減らしに減らして最小限にしてます。そういう計算をし始めたというか。
宮田:引き算須長だよね。だからオマージュというか、"僕らの考えたミスチル"みたいな感じはあります。
-アウトロでギター・ソロにベース・ラインが絡んでくるじゃないですか。あれ、カッコいいなぁと思いました。
宮田:このアウトロはTHE YELLOW MONKEYのギター・ソロを参考にして......。
須長:こんなに固有名詞出して大丈夫なの(笑)?
宮田:パクリじゃなくてオマージュだから!
森:ここのベース・ラインは特に頑張って作りましたね。私、ルートしか弾かなくても許されるキャラクターだとは思うんですけど、意外と動いてるんだぞっていうところで笑いをとっていかなきゃと思ってて。
-そこが目的なんですか(笑)?
宮田:めっちゃおもろいな、それ。他の曲もそうだけど、森ちゃん(のベース・ライン)は意外と動いてるよね。
森:そう、動く必要がないのに動いてるっていう。そこは主張していきたいですね。-『METRO』(2018年7月にライヴ会場、店舗限定でリリース)のリード曲「東京メトロ」も収録されています。
森:私が"宮田さんやっぱりすごいなぁ"と思ったのが――最初にある"東京メトロ飛び交う無線"のところが最初は"東京メトロ 丸ノ内線"みたいな感じで、各路線の名前が入ってたんですよ。だから地下鉄あるあるというか、面白い感じの歌になりそうだったんですけど、地下鉄それぞれの特徴を言うなんて難しいじゃないですか。
宮田:いや、別に特徴を言うつもりはなかったけどね(笑)。
森:固有名詞を当てはめるなんて大変だなぁと思ってたんですけど、やっぱりうまく変えてきましたよね。ちゃんと方向転換してきたなぁ、さすがだなぁと思って。
宮田:文字数が合わなかったんですよね。メトロの路線って意外と語呂が悪くて。
森:銀座線だと休符が入っちゃうし。
宮田:半蔵門線だと間延びするし。そこが気持ち悪いなぁって思ったので変えちゃいました。「東京メトロ」は歌詞好きですね。歌詞カードを読まないとわからない歌詞もあるんですけど、それを閃いたときは"うわぁ、これだ!"と思いました。
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