Japanese
イズミフミ
2019年04月号掲載
-ではニューEP『夢見がち脳内』について聞かせてください。ポップな5曲が収録されていますが、制作にあたって何かテーマを掲げていたのでしょうか?
全部ポップな曲にしようとは決めていました。タイトルの"夢見がち脳内"って、ふたつの捉え方ができると思って付けたんです。ひとつは"現実と向き合わず夢ばかり見ている"少しイタい感じ。もうひとつは"前向きに夢を追い掛けている"というポジティヴな姿、のふたつの捉え方です。このふたつのテーマに当てはまる曲を集めました。
-タイトルは曲を選ぶときには決めていたんですか?
ざっくりですけど、このタイトルにしたいとは考えてました。"夢見がち脳内"ってワードは「SPY」の歌詞にも含まれているんです。イメージに合うポップな曲を作っていった感じですね。
-「SPY」は、"イベントGO!"の4月度オープニング・テーマに選出されました。おめでとうございます。メロディがすごくキラキラしているので番組の始まりに相応しいなと感じる反面、歌詞はかなり心の奥底にある思いを歌っていますよね。この曲をオープニング・テーマとしてエントリーした理由を教えてください。
ありがとうございます。歌詞は置いといて、曲としてキャッチーに仕上がったのでこの曲で応募しました。特に男性からは"歌詞が恐怖"って感想が多いですね(笑)。
-女だから理解できる感覚なのかなとも思います。どんな経緯で生まれた楽曲なんですか?
女友達と話してるときに、"LINEは既読にならないのにゲームにはログインしてる"っていう話が出てきて、すごい共感したんです。好きな人のことを詮索したくなるというか、"今何してるのかな"と単純に気になっちゃうんですよね。こういうエピソードって多くの人が共感できるけど、曲にする人は少ないだろうなと思ったので曲にしようって。
-相手をもっと知りたくて詮索することを"SPY"と表すのは、かわいらしいけどリアルな表現だなと。
あはは(笑)。普通だったらなんて言うんですかね、ストーカーとか? うーん、これもちょっと違う......。スパイっていうのは、海外ドラマ"ゴシップガール"で、主人公の女の子が"彼氏をスパイしてくるわ!"って言うシーンを見たときになるほどって思ったんですよね。怖さがある曲だからこそ、"SPYしちゃうの"とかわいらしい歌詞と歌い方にしてみました。
-イズミさんの楽曲はそういう言葉選びが魅力のひとつだと感じますが、意識していることなどはありますか?
そこが自分らしさだとは思っています。ガールズ・トークとか海外ドラマとか、何かからインスパイアされることが多いですね。感覚としては、"これをどう表現するか"というよりは"この表現いいかも"ってひらめきにアイディアを繋げていく方が近いです。
-今作だと"鈍感マン"というタイトルが特に秀逸だなと。どんなタイミングで思い浮かんだのでしょうか?
これ、私の実体験なんです。好きな人にすごくアピールしていたときに全然気づいてもらえなくて。それを本人に指摘したら、"なんか俺、鈍感マンかもしれない"って言われたんですよ。"鈍感マンって何?"って感じですよね(笑)。そのときに私も初めて"鈍感マン"ってワードを聞いたんですけど、めっちゃ耳に残るし韻も踏みやすそうだなと思って(笑)。
-ということは、鈍感マンは実在するんですか?
そうなんです。ほぼその人に向けての愚痴みたいな曲ですね(笑)。
-女性ならではのワードが散りばめられている「New color」は、まつげエクステ専門店MAQUIAのWEB CMソングとして起用されています。タイアップのために書き下ろしたのでしょうか?
はい。CMの話があってイメージして書き下ろしました。
-書き下ろすときって、普段とは少し作り方が変わってくるのかなと思うのですが、この曲のこだわりなどはありますか?
動画の時間が30秒って決まっていたので、その短い時間で曲としてインパクトを残せて、美容系なのでその印象も持ってもらえるようなワードとかメロディを意識しました。
-「スポットライト」からはイズミさんのアーティストとしての決意を感じられました。
アーティストとしての夢ももちろん含んでるんですけど、夜寝る前に"起きたら絶世の美女になってないかな"とか、"朝になったらめっちゃ売れてないかな"とかいろいろ思うんですよね。そんな夢を見ながら寝ても、やっぱり起きたらいつもどおりの自分じゃないですか。1番はそういう"ちぇっ"って気持ちを描いてて、2番は"今の人生でも笑って生きようぜ"っていうメッセージを込めています。
-なるほど。なかなか表に出せない感情や経験を代弁してくれる歌が多いので、女性から共感されることも多いんじゃないですか?
たしかにファンの方は女性が多いですね。でももっともっと出していきたいんですよ。まだ曝け出すことを躊躇している感情も多くて。"もっと出してやりたい"、"もっと言ってやりたい"って思ってるので、今後はもっと攻めていきたいなと思ってます(笑)。
-ラストの「ただいま」は故郷北海道のことを想った歌ですよね。
私が育ったのは北海道小樽市の朝里川温泉という温泉街なんですけど、その故郷をイメージして去年書いた曲です。東京に慣れてきたからこそ、書けた曲ですね。地元に帰ったときに、おじいちゃん、おばあちゃんの背中が小さく感じて。すごく元気なんですけど、なんか小さくなったなぁと思ったんですよね。特にお世話になったひいおばあちゃんが元気なうちに、ひいおばあちゃんを想った歌を書きたいなと思っていたので、この曲はひいおばあちゃんへの想いを強く込めています。
-『夢見がち脳内』の中で、「ただいま」だけ少しテーマが違うなと感じたのですが、今作に収録した理由はなんですか?
私がこうして"音楽"という夢に向かって邁進できているのは、"自分らしさ"を育んでくれた存在があったからだと思うんです。曲の歌詞にあるように、挫けそうなときも地元に帰ると、子供のころに抱いた感情を思い出し原点に戻ることができる。故郷の自然、家族、友達、すべてのことがパワーになって、自分らしさを取り戻せる。そして再びいい意味で"夢見がち"になれるんです。今作『夢見がち脳内』は、パンチの効いたポップな曲が多く収録されてますが、その中でも"夢を見れてるのはあなたのおかげなんだ"ってことを故郷へ伝えたかった。なのでEPの最後に収録しました。
-なるほど。では最後に、これからどんなアーティストになりたいか、目標やヴィジョンを聞かせてください。
みんなが口ずさめる曲を作って広めていきたいですね。女心もどんどん掘り下げた曲を書いていって、悩める女子たちの背中を押したり自信に繋がったりするようなメッセージを届けていきたいです。もっといろんなところで活躍できるようになりたいのでみなさんに知ってもらえるように頑張ります!
RELEASE INFORMATION
配信EP
『夢見がち脳内』
2019.03.29 ON SALE
1.SPY
2.New color
3.スポットライト
4.鈍感マン
5.ただいま
lyric & photo book
『夢見がち脳内』
2019.04.03 ON SALE
※会場限定リリース
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