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INTERVIEW

Japanese

DURAN

2018年11月号掲載

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-「YESWECAN」はさらに時計の針を進めて、アフロビートっていつの時代もそこにありつつ、今とりわけポップ・ミュージックのトレンドになっている要素が入っています。そこにDURANさんならではのチキン・ピッキングやソロが炸裂する。

たしかに今っぽいかもしれないですね。そういうビートの音楽はアメリカン・スクールでもよく聴いてましたし、好きなんです。今書いてる曲もそういうものが多いですね。

-ときて、最後の「MYMISSINGPIECE」はシンプルなギターの弾き語り。

これは、映画の"Hedwig and the Angry Inch"の中で歌われている、「The Origin Of Love」という曲へのアンサーってだけなんですけど、最後にこの曲っていうのは、たしかに面白いかも。

-これだけ様々な音楽的要素のミクスチャー感覚を披露しつつ、ベタなロック・アルバムの終わり方。

"あれだけやっといて最後これかよ"って(笑)。

-今作っている曲はどうするんですか?

あまり間を空けたくないんで、コンスタントに配信していってアルバムに繋げられたらいいなって思います。

-先に、ギタリストがかつてほど注目されなくなった話をしましたが、打ち込みだけで"弾かない"ことを選択したパートも作った、DURANさんのクリエイティヴはどこに向かうのでしょうか?

今は打ち込みでたいていのことが解決できるし、それが主流。でも生の音も大事にしていきたいです。そこで、わかりやすいのがギター。ギターのベンディングやノイズとかそうじゃないですか。まぁそれもパソコンでやってもいいんですけど。

-人が弾くとそのときと同じ音は二度と出ないですよね。その瞬間の勢いみたいなものは打ち込みでは録れない。

はい。

-生演奏の価値をDURANさんはどう考えますか?

どうなっていくんでしょうね。なくなるんですかね?

-何千年、何万年後とかにギターが発掘されて、"これはギターと呼ばれていたものらしく、世界中の人々に親しまれていた"みたいな。

(笑)まぁ、今なくなるとかっていう話でもないし、ギタリストの立ち位置は良くも悪くもそこにあるから、それをいかにカッコ良くできるか。変に今っぽくとか、あえてやらなくてもいい。ちょっと話は変わりますけど、例えば僕が大好きなギタリスト、Jimi Hendrixがもし生きていたら、彼はもうギターを弾いてないかもしれない。すごく実験的な人だったから、その最先端が60年代だとギターってだけだった、とか言ってるかもしれない。で、DJとかやってんじゃないかなって、それくらいの考えも持っていたいんです。

-興味深い話です。

僕だって散々ギターを弾いてきておいて、今は表現の中でギターが邪魔だと思うこともありますし。でも、ギターを追求すれば追求するほど、わからなくなることや興味も増えてきてるから、まだまだ弾くことは止めない。そこで僕個人として今は、ギターをギターっぽくなく、シンセみたいな音を出したりとか、そういうことよりも、伝統的なギタリストに価値があると思ってるんです。バンドに花を添えつつ、時に主役になるあの感じ。THEギタリストとしての自分と、テクノロジーと向き合う自分――とか言ってますけど、要は、音楽が好きだってこと。いろんな視野を持ったうえで自分を更新していきたい。そこで、何が好きで何をやりたいか。ということですね。