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INTERVIEW

Japanese

LiSA

2018年05月号掲載

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-好きでいるための付き合い方を大事にする。それが好きでい続けるための努力ということですね。それは大人になったLiSAさんだからこその考えだと思いますし、「ハローグッデイ」も「Believe in ourselves」も、今のLiSAさんが見ている景色を体感できました。

「ハローグッデイ」はテーマが明確だったので(※「ハローグッデイ」は丸井グループ"マルコとマルオの7日間"アニメーションCM"猫がくれたまぁるいしあわせ"タイアップ・ソング)、とても作りやすかったです。主人公のまりさんの"いろんなことがあるけれど、気づいたら私ちょっと幸せ"という台詞がすべてだなと思ったんですよね。いろんなことがあっても、ほかの幸せでちゃんと埋めていける。それがちゃんと思い出になって、みんな乗り越えてきたからこそ、今みんな生きてるんだよなー......と思って。そういう人たちをきちんと肯定してあげられるような曲にしたかったし、寄り添いながら一緒に歩いていくような歌にしたかったんですよね。

-最後はゴスペルで感動的に締めくくるところも、前に送り出すような空気があって。

ゴスペルは楽しい空気になりますよね。ライヴの最後にみんなでこれを歌えたら、すごくいい空間だな......! って。実際にみんながライヴで歌ってくれたら、本当に悲しいこと全部ふっ飛ぶ気がする。

-"悲しいグッバイが、未来のグッデイに繋がりますように"とブログに書いてらっしゃいましたよね。つらいお別れがあっても、生きていればまた数年後かに再会できたりもして。それは大人の良さでもありますよね。

私は人がいなくなるのが極度にいやで。CD屋さんのご挨拶回りのときに、担当してくださった人がお辞めになってしまったりすると、めちゃくちゃ寂しいんですよ。それはファンの人もそうで。突然来なくなった子がいると"どうしたのかな?"と思うし――そしたら1年後に子供を抱っこしてイベントに遊びに来てくれて"あ、そういうことだったのね!"と思ったりして(笑)。その人のことを知っていれば知っているほど、離れてしまうのは悲しいですよね。でもすごく親しい人が"人は必ず帰ってくるよ"って言っていて。その言葉を信じて、今、私は頑張るしかないなと思っていますね。

-ベスト・アルバムと言えど、今のLiSAさんがしっかり作った作品だと感じました。

ベスト・アルバムは過去の回想だけではなく、その先の未来がハッピーに見えるものであってほしいから。先輩(UNISON SQUARE GARDENの田淵智也/Ba)に"歌うことへの覚悟が決まりました。それを歌にしたい"と話して曲作りを始めて、"ひとりで始まった人生が、いつの間にか信じているものでいっぱいになったね"という話をしていて......あっ、これは"Believe in ourselves"!? って思ったんですよね。"やりすぎかな? ちょっとエモすぎない!?"と思ったけど"いいんじゃない?"と言ってもらったので(笑)。

-これだけ素直な想いが綴られているのは、決意の歌だからでしょうね。

やっと素直になれてきましたね。昔はLiSAという人である限りかっこ良くいたい、強く見せたい、ずっと笑っていたいと思っていた。でも年齢を重ねてきて、自分の弱いところも含めて受け入れられて。それはLiSAと一緒にいてくれる人が好きなLiSAという人を守り続けるために大事にするべきだ、ということを理解できるようになってきたからだと思います。「Believe in ourselves」には弱音も入っているし、でも一生懸命伝えたい想いも入っている気がしますね。

-LiSAさんの輪がどんどん大きくなっているのは、LiSAさんの人間性が素直に外に発信されているからだと思います。

そうかな。そうだったらいいな(笑)。いろいろあるけれど、それでも守ってくれる人もいっぱいいて。あることないことを書き立てられたとしても、わかってくれる人はわかってくれるから――それが「Believe in Ourselves」の"せめてキミに"ですね。それで救われているなと思います。だからLiSAでできるみんなで楽しいことをする計画を、ずっと探している。

-今のLiSAさんの"楽しい計画"の身近な目標はドーム公演ということですね。

大きな会場でライヴをすることは、自分が認められたことを示すものではなく、"たくさんの人と遊んでいる"というものなんですよね。たくさんの人を目の前にしたとき"この人たちすごいなぁ!"と思う。人はばらばらで当然なのに、LiSAという人を好きな人がこれだけたくさんいて、同じ歌を歌って、同じ空間を共有できて、同じ気持ちになる瞬間があるって本当にすごい。人間って捨てたもんじゃないなと思うんですよね。それを感じられる瞬間にLiSAという人がいられるというのは、とても幸せだなと思います。