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INTERVIEW

Japanese

ADAM at

2018年05月号掲載

いいね!

-楽器さえあればどこにでも行ける強さをADAM atには感じます。

それをなんだかんだ望んでたりします。中学校の音楽室にあるボロボロの機材でも"いいじゃないか、やっちゃおうぜ"みたいな感じでやれたらいいなと思いますね。

-逆にそれはセンスがないとできないですもんね。

"弘法筆を選ばず"。バック・バンドは弘法なんですけど、私はそれに乗っかるだけなんで(笑)。

-えぇ(笑)? みなさん弘法なんだと思いますが。いかようにでもアレンジできそう。

どんなシチュエーションでも彼らは楽しんでやってくれそうで、それは見てて嬉しいですね。お客さんもこっちが"ジャズだ"って言ってしまうと若干苦手意識が働いてしまうんでしょうけど、"あ、ジャズだったんだ"ぐらいの感じだったら、いいのかなと思ったりします。ロック系のフェスに来てるお客さんって"楽しければOK"って感覚というか。"東京JAZZ"に来ているお客さんもいろんな音楽を知っているので、1周回って"(ADAM at)いいじゃないの"と思ってくださっているので。


メッセージ性はないので、聴く人がそれぞれ自分で見つけていただけたらと思います


-そういう意味でADAM atの活動が受け入れられている実感を持ったのは?

そもそも世間一般からすると興味がないジャンルだと思うんですよ。歌がないし、テレビに出るわけでもないし、もちろんカラオケにも入ってないし、言ったらニッチな部分ではあると思うんですよね。でも、ライヴに来てくださって音源を聴いてくださる人がひとり増え、ふたり増え、そのニッチなところに誰かを引き込んで来てくださってるのをすごく感じるんです。なので、私たちの音楽が自然に広まったっていうよりも、ADAM atのお客さんが広めてくださった部分が多いのかなと思います。ヴォーカルがいるバンド、例えばBUMP OF CHICKENさんだったりとか、あるいは西野カナさんだったりとか、素晴らしいことなんですけど、インストって頑張ってもそこに行けるのかわからないんですよね。

-リスナーがメッセージを求める部分はありますね。

やっぱりギター・ヒーローとかヴォーカル・ヒーローとか、必ずアイコンになる方がいらっしゃってのことだと思うので、その中でインストっているのかな? と。それこそスペアザ(SPECIAL OTHERS)さんとかスカパラ(東京スカパラダイスオーケストラ)さんとかSOIL(SOIL&"PIMP"SESSIONS)さんとかはその中でも頭ひとつ抜けてると思うんですけど、それでもインストであるということを考えると、改めて自分たちがニッチなところにいると思いますし、そんな自分たちの音楽を聴いてくださっている方が増えていることには本当に感謝しますね。

-でも音楽としては逆に聴く人を選ばないというか。

ほんと来るもの拒まないですからね(笑)。メッセージ性がないので自分で見つけてくださいみたいなところはあると思います。

-全方位で聴けるアルバムだと思います。ロック・リスナーの反応で気になることは?

例えば「サイコブレイク」を聴いてどんな反応をするのか気になりますね。"これは私たちの中ではラウドな曲なんですけど、どうです?"、"この曲で一緒にヘドバンできますか?"っていうのは聞いてみたいです(笑)。あと、インストのジャズしか興味のない人がこれを入り口にして、重いロックとかラウドにいくのも面白いと思いますね。

-そして6月末に地元浜名湖で開催されるイベント(6月30日開催の"ADAM at Pre. INST-ALL FESTIVAL2018")はフリー・ライヴですね。

いろいろ考えてフリーにしたんです。(インストは)世間一般には興味がないジャンルなんですよ。例えば、今渋谷のハチ公前にいる方は"インスト"って言葉をまず知らないと思いますし、私たちのことを知っている人はほぼいないんです。なので、いろんな人に興味を持ってもらうことから始めようかなと。好きでも嫌いでもない、興味を持ってもらって嫌いだったらいいんです。(ADAM atの)名前を知ってることになるんで。そのためには無料でいろんな人を連れて来やすいという環境にしようというのが一番にありますね。