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INTERVIEW

Japanese

LiSA

2017年12月号掲載

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-最近のLiSAさんは作品の世界観もご自分のカラーもどちらも100パーセントで出していた印象があるのですが、今回は作品に寄り添う意味合いが強いのかなと思いました。LiSAさん、マオさん、明希さん、編曲の江口 亮さん、全員が寄り添ってできあがっている曲というか。

6年こうやってシンガーとして活動してきて、自分がLiSAというひとつの楽器だと考えると、"LiSAがLiSAとして歌っていい曲"はバンドさんより枠が広いとも思うんですよね。でも自分の中にはなんとなく"LiSA"という枠組みがあって――その中でも今回は"アニメに寄り添うシンガーのLiSAを作りたい"と思いました。「oath sign」で自分なりに"Fate"という作品の世界観を作ってしまった気がしていて。みんなと一緒に"好き"を集めて作ったものだったので、"自分が(筆頭となって)作った"という責任感もありましたね。

-マオさんと明希さんの作った楽曲を江口さんがアレンジするというタッグもLiSAさんらしい。

江口さんはちゃんとLiSAという存在をわかってくれていて、LiSAにも寄せたアレンジを作ってくれる人なんですよね。LiSAというものを客観的に見てシドさんが作ってくれた楽曲を、LiSAのことも作品のことも知ってくれている江口さんが客観的に見てくれたら、間違いがないなと思った。そういう安心が欲しかったし、それは江口さんに対する信頼ですね。江口さんと一緒にやるようになって2年くらいなんですけど、江口さんはLiSAの枠組みを広げてくれた人。だからこそ「ASH」は江口さんにお願いしたかったし、どんなものでもLiSAにしてくれるのが江口さんだと思っています。

-そうですね。LiSAさんのことも、アニメのテーマ・ソングのこともわかっている方ですし。

うん。心強い大人ですね。ストリングスとピアノの使い方にセンスありすぎるし、江口さんほんと天才!

-LiSAさんの作家さんの選出センスには毎回舌を巻きます。次はどんな人とタッグを組むんだろう? というのはLiSAさんの新譜が出るときのお楽しみのひとつですし。

今回(の組み合わせ)は完全に"Fate"がくれたものですね。自分が大好きな人たちと一緒にお仕事ができるのは幸せなことだなと思います。タイアップ曲でも、作品の中にある等身大のテーマを探したうえで、どの方に書いていただこう? と考えるので、無理矢理やらされてないこともそう思っていただける理由なのかな。今回のシングルに限らずどれも自分として歌えるものばかりだし、どれも自分の中にあるものだから。

-「罪人」はLiSAさんが作詞、MY FIRST STORYのSho(Gt)さんが作曲編曲を担当しています。Shoさんとは初タッグですよね?

初めてです。失礼かもしれないけれど......MY FIRST STORYの楽曲を聴いて、LiSAの好きなものとMY FIRST STORYのみなさんが好きなものは一緒なんだろうな、同じ時代のものを好きな人たちなんだろうなと思ったんですよね。だからShoさんと一緒にやったときに面白いものができるんじゃないかなって。

-LiSAさんはパンク・ガールですものね。Shoさんの曲にこの歌詞を乗せたところにもそれは表れていますが。

私にとってMY FIRST STORYの楽曲は"夢を追い掛ける"、"何かと葛藤する"というイメージがすごく強くて。でもShoさんの曲でそういうことを歌うのは、私ではなくHiro(Vo)さんがいいなと思うんです(笑)。じゃあLiSAという人がこの歌謡メロと現代の海外のエモのサウンドで何を歌うのがいいか考えた結果、私の持っている女性性にしようという考えに行き着きました。それが男性ヴォーカルの曲を女性が歌うとき、唯一女性にしかできないことなんじゃないかなと思ったんですよね。MY FIRST STORYの女性ファンの方々が聴いてストレス発散できるような音楽にもできたらいいなと思って、こういう歌詞になりました。歌謡のメロに引っ張られて女の情念が(笑)。

-ははは(笑)。「罪人」はこれまでLiSAさんが綴ってきた女性像と通ずる部分は多いんですけど、歌詞もヴォーカルもダークな部分を表現することを楽しんでらっしゃるなぁと(笑)。

あははは! よくご存知で(笑)。

-"逃げたりしないでね"という歌詞で始まるのもなかなかですが(笑)、ホルマリン、棘、カルミア、林檎などなど、普段のLiSAさんなら使わないんじゃないかなと思うワードがたくさん出てきますし。

この主人公はそう思うだろうな~って。どこまでグロくできるかに注力しましたね。だってタイトルが"罪人"ですからね(笑)! このサウンドだったらああいう情念めいた歌い方をしても浮きすぎないだろうなと思って。歌謡メロに引っ張られて歌謡曲っぽい歌詞を書いたんですけど、編曲がそれをしっかりと現代の人たちが楽しめるものにしてくれている。だからああいう歌い方をしても歌がサウンドに負けることはないし、サウンドも歌に負けることはないなと思ったので、思いっきりやりましたね。やるならとことんやりたかったし。

-「ONLY≠LONELY」は作詞がBIGMAMAの金井政人(Vo/Gt)さん、作曲が小南泰葉さん、編曲がPENGUIN RESEARCHの堀江晶太(Ba)さんという、またLiSAさんでないと成し得ない贅沢な組み合わせで。

そうなんです、私、贅沢なんです(笑)。音楽活動休止中のみんみん(小南)が"これ、LiSAちゃんに"と弾き語りを送ってくれたのがこの曲なんです。みんみんは音楽がすごく好きだからこそ、音楽活動をしていくうえで息苦しさを感じたり大変な部分がすごくあると思っていて。でも音楽活動をお休みしていても音楽が好きだということがわかって、すごく嬉しかったです。自分がみんみんの曲で歌いたいことは「TODAY」(※小南が作曲を担当/『LiTTLE DEViL PARADE』収録曲)でたくさん言わせてもらったので、私の憧れるステージからの景色を見ている尊敬する先輩アーティストに、私がずっと伝えていたことを、私とは違う観点で、歌詞として書いてもらいたいなと思ったんですよね。金井さんは作詞したいと以前からおっしゃってくれていたんです。みんみんのメロディがすごくきれいだったので、金井さんのきらきらした部分ときっと合うだろうなって。