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INTERVIEW

Japanese

Earls Court

2017年09月号掲載

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Member:キタコウジロウ(Vo) コハマジュン(Gt) ノギタカノブ(Gt) サクライショウタ(Ba) マイマイ(Dr)

Interviewer:山口 智男

-ベースに加え、ギターのファンキーなカッティングも挑戦だったんじゃないですか?

ノギ:THE ROYAL CONCEPTやTHE 1975だったらこうやるよねってイメージは頭にあったんですけど、今までは最初から最後までずっとギターが鳴っていることが当たり前だったから、できるだけ弾かないっていう発想になるまで、やっぱり時間はかかりました。

コハマ:彼はわりと空間系のエフェクトを多用するフレーズをずっと弾いてきたこともあって、これまでは音を埋めていくってアプローチが多かったと思うんです。でも、この曲でやっていることって、弾いているフレーズは難しいわけではないんですけど、削ぎ落とすとか、引き算するとかってアプローチは初めてだったと思います。

ノギ:ディレイってエフェクターが基本、大好きなんですけど、初めて使わなかった曲なんですよ。

-隙間を生かしたアレンジというのは、他の曲にも言えますよね?

キタ:それは全体を通してありますね。

ノギ:以前は、いわゆるロック・バンド的な感じでメインのリフはギターが弾いていたんですけど、今回はシンセで鳴らしている曲もあるんです。それもあって、ギターの音をどんどん引き算していったところもありましたね。

マイマイ:ドラムも、ドラムが鳴ってますって言うよりは、すべてミュートして、手数も少なくしました。メロディを立たせたかったからものすごくシンプルにしたんですけど、単にシンプルにしたわけではなくて、例えば、「Sunday morning flight」ではギターのフレーズに合わせて、8分になったり、4分になったり刻んでいるんです。それは聴いた人にギターのフレーズも口ずさんでほしいから、じゃあドラムも一緒に歌おうみたいな。そういう細かいこだわりはありましたね。

サクライ:ベースもシンプルに、シンプルにっていうのは心掛けました。ひょっとしたら、ベースだけ聴いたら退屈かもしれない(笑)。実際、弾きながら遊びたくなるんです。でも、それは出さずに、なるだけまっさらな音がいいと思いました。今回、歌を聴かせるというテーマがあったので、歌がちゃんと前に出るように作ったフレーズが多いですね。

-新作を聴きながら、ちょっとTHE SMITHSっぽい節回しがところどころにあるように感じました。

キタ:THE SMITHSも好きですよ。大好きと言えるほど詳しくはないですけど、あのへんのサウンドは憧れのひとつです。今回、歌い方もそっちに寄せたというか、THE SMITHSとか、SUEDEとか、最近だとTHE 1975とか。あとは河村隆一さんとか。ああいう色っぽい歌い方って本当は昔から好きだったんですよ。これまでは素直に歌うようにしてきたんですけど、そういうところでもやりたいように表現してみました。

-今回、ヴォーカリストとして、ぜひ聴いてほしいと思う曲を挙げるとしたら?

キタ:「Do.Da.Di.」だけ変わり者なので、まず聴いてほしい。メロディもここまで行って、ここまで行ってみたいな。でも、メロディそのものは同じフレーズを使って、一番いいところだけ残しているんで、僕らの中ではかなり異色だと思います。お気に入りという意味では、「Sunday morning flight」。これだけ昔からあった曲なんですよ。曲そのものは、ギター・リフだけあって、他の部分がなんとなくしかなくて、でも、いつかやりたいと思っていたんです。それを今回、やっと完成させられました。サビがないと、曲として成り立たないっていう固定観念があったんですけど、サビを作れないからできないではなく、ギターのリフがサビなんだと考えを変えて。結果、そこにいいサビもついたんですけど、できあがったとき......今回、ハッピーや楽しい、という感覚を全体のコンセプトとして考えていたんですけど、子供っぽさみたいな明るさを表現できたように思えたので、すごく気に入っています。

-リリース後はどんな活動をしていこうと考えているんでしょうか?

コハマ:このインタビューが世に出るころには8月26日の下北沢CLUB251ワンマンが大盛況のうちに終わっているはずなんですが(笑)、そこからツアーを始めて、来年の2月にまたCLUB251でファイナルを迎えます。

マイマイ:時間をかけてツアーを回るのは、狙いがあるんです。同じところを2回行こうと考えているんですよ。名古屋、大阪、新潟、秋田、関東近郊ぐらいの範囲ではあるんですけど、2回行って、その間には都内でもライヴをやりながら、今回の6曲を浸透させたいんです。 

サクライ:ツアーが終わっちゃうと、次の作品を作らないとってところがあるけど、せっかくいい作品ができたんだから、それだけじゃもったいない。賞味期限を長くしたいんですよ。