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INTERVIEW

Japanese

johann

2017年04月号掲載

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Member:佐藤 竜市(Gt) 川北 真一郎(Gt) 鈴木 翼(Ba) 深津 良輔(Dr) 櫻田 和秀(Per)

Interviewer:吉羽 さおり

"四畳半"とか"もったいない"とか、英語にはしづらい日本ならではの感覚をロックに乗せて表現したい


-では、このメンバーが揃って2年ほどになるんですね。普段の曲作りはどのようにしているんですか。

佐藤:僕がおおもとのフレーズだったりサビだったり、こんな感じというものを持っていって、みんなでガチャガチャやることが多いですね。

-さっきのギターのピロピロ禁止じゃないですけど、曲として難解なものにせず、すごく歌モノっぽい雰囲気がありますね。

鈴木:johannはインスト・バンドなんですけど、よく歌が聞こえると言われるんですよ。

川北:コードから作ってないんですよね。メロディ始まりで作っているから、そういう感じになるんだと思うんです。

-歌や歌心は、自分のルーツにもあるものだからですかね。

佐藤:僕はね、歌が大好きなんですよ。本当はヴォーカルになりたかったんですけどね。ただ、いろんなしがらみが──

櫻田:いや、しがらみの問題じゃねぇから。

深津:スキルの問題だからね。技術と好きっていう気持ちは、必ずしも比例しないっていう。すごく音痴なんですよ。

佐藤:ただ、声量はハンパないです。

-和の雰囲気をモチーフにしているのも、初期からなんですか。

佐藤:そうでもないんですよね。ただ、johannというバンド名の由来はそもそも"四畳半"の意味なんです。四畳半って、英語にしづらいと思うんですけど、そういうのがいいなと思ってて。"もったいない"という言葉にしてもそうで、これを英語にするとなると、何かと何かと何かの単語を足してやっと、もったいないの意味になるとか。それを、ロックに乗せて表現したいなということだったと思います。

-「やさしいしと」(Track.2)のタイトルやサウンドにも、そういう日本的な情緒を感じますね。

佐藤:センスありますよね。作った曲に名前をつけるときが、一番好きなんですよ。"やさしいしと"は、茨城から上京してきたときに、初めてバイトした居酒屋の店長が、江戸っ子で"ひ"が言えなかったんです。"そこ、しだり(左)に曲がってさ"っていう感じで。それが俺、すごくいいなと思って。意図していることは伝わるじゃないですか。"佐藤の言うことは、ししししと(ひしひしと)伝わってくるよ"とか。そういうのが日本っぽいなと思って。

-「やさしいしと」は、民謡っぽいビート感や雰囲気がありますね。いろいろな要素が入っても、プログレッシヴな雰囲気にならずにメロディアスでもある。

佐藤:その曲だけ3拍子なんですけど、3拍子もあまり使わないようにしているんです。基本は、なるべく4拍子でキャッチーな形にしたいと思っているんですよ。ただ、1枚を通して聴いたときに、3拍子があった方がいいかなというのがあって。

-今回は3曲目にカバーも収録されていますが、BEGINの「島人ぬ宝」(2002年リリースのシングル表題曲)をカバーしようと思ったのは。

佐藤:僕が沖縄が大好きだからです。

鈴木:彼、1年くらい前からライヴで平気で嘘つくようになったんですよ(笑)。急に"僕、沖縄出身なんです"とか言いだして。

深津:ステージ上でね。お客さんも結構信じちゃって。

鈴木:MCで沖縄とフジロックの嘘もつくんですよ。さっきも、9年前からフジロックに出たかったと言っていたと思うんですけど、最近は出ることになってるんですよね(笑)。"来年、実はフジロック呼ばれまして"って。

佐藤:すげぇ面白い話があってですね──

鈴木:去年の11月に、お台場で"CHIMERA GAMES"という野外イベントに出演させていただいたんですけども、隣がハイネケンのブースだったんです。

-フジロックにも出店してますね。

鈴木:ライヴが終わって、僕がビール好きなので買いに行ったんです。

佐藤:その日のMCでも俺、"来年のフジロック出ます"って言ってました。

鈴木:で、ハイネケンのブースに行ったら、"先ほど出演されていた方ですよね。MCでフジロック出ますって言ってましたけど、ほんとですか"って言われて。いや、あれはうちの頭おかしい人がよく嘘つくんですよって話してたら、"実は今日、フジロックの日高さん(SMASH代表)が来ていて。さっきライヴを観て、「俺来年の出演バンドまだ1組も決めてないのに、あいつらどのステージに出るつもりだ?」っておっしゃってましたよ"って(笑)。

-会場にいたというのが、また奇跡ですね(笑)。

佐藤:しかも違うステージでDragon Ashがやっていたのに(笑)。

-言ったもん勝ちなところもありますからね。歌心やノれるグルーヴも、曲を作っているときから何かしらライヴでのシーンを想像しているんですか。

佐藤:それはもう、ばっちりしてますね。曲名を言うところから想像するんですよ。次はこの曲ですって言って、曲が始まるところまで想像して決める感じですね。

-イントロからガッチリと掴む感じですね。4曲目の"鬼泣峠"はなんと読めばいいのでしょう。

鈴木:"おになきとうげ"ですね。

佐藤:これは僕が作った観光地です。

櫻田:観光地なの!? ちなみにどこに。

佐藤:滋賀県。

櫻田:滋賀県の方に怒られない(笑)?

佐藤:大丈夫。昔話に出てくる鬼でも、泣いちゃうような美しい景色の峠なんです。ロマンチックだなぁ。

深津:でもこれは、もともと"アメフト"って仮タイトルの曲だったよね。

佐藤:そう、AMERICAN FOOTBALLみたいな曲をやりたいなと思っていたんですよ。アメフトの「Never Meant」(1999年リリースの1stアルバム『American Football』収録曲)みたいなことをやりたいなと。

川北:アメフトみたいなのだから、やってみてって(笑)。

鈴木:"鬼泣峠"とか言ってますけど、仮タイトルは"アメフト"ですからね。

佐藤:昔"サッカー"って曲もあったね(笑)。

鈴木:そのときも、"次のワールドカップの曲に決まりました"って、MCで嘘をつくっていう。