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INTERVIEW

Japanese

ONIGAWARA

2017年04月号掲載

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Member:斉藤 伸也(Vo/Gaya/Prog) 竹内サティフォ(Vo/Gt/Prog)

Interviewer:沖 さやこ

-ONIGAWARAはCメロや落ちサビの展開も効果的ですからね。想いもすごく伝わってきます。

竹内:Cメロはやっぱり気合入れますよね。J-POPで一番グッとくるのはCメロと落ちサビですからね......入れがちですね(笑)。曲が長くなっちゃうから、ないならないでいいんですけど、どうしても入れたくなっちゃう。

斉藤:僕らは去年"アイドルだ"と言ってきましたが(笑)、アイドル・ソングにCメロは不可欠じゃないですか。

竹内:僕はミーハーなので最近の曲もそれなりにはチェックしてて、Little Glee Monsterとかいいなぁと思うんですけど、結局昔のSMAPに落ち着いちゃうんです(笑)。『SMAP 006 ~SEXY SIX~』(1994年リリースの6thアルバム)くらいからがすごくいい感じなんですよね。

斉藤:『SMAP 005』(1994年リリースの5thアルバム)とか『SMAP 006』あたりからちょっと路線が変わるんだよね。戻ってくるところはやっぱりそこなんです。アルバム曲ですごくいい曲がたくさんあるんですよ。

竹内:だからSMAP感みたいなものはONIGAWARAでもすごくテーマになっているんですよね。バンドでできないサウンドメイクだし、今回の僕らのアルバムの中にも何曲かSMAPリスペクト的な楽曲が含まれていて。

-「ダバダバ」もそうですよね。ビートの音色がまさしく90年代のSMAPでした。ONIGAWARAは斉藤さんがすべてのアレンジをなさるんですよね?

斉藤:そうですね。竹内メンバーから弾き語りに軽くリズムが入ったデモを渡されて、どんなアレンジにしてほしいというオーダーは何もないので"どうしようかな!?"というところから始まります(笑)。でも、その作業が楽しいんですよね。曲がいいのでこれに見合うものを作らなきゃなと思うし、デモがシンプルだからどういう方向にも持っていけるんで、やりがいのある仕事です。「ヒットチャートをねらえ!」はフィリー・ソウルっぽいもの、ニュージャックっぽいもの、少しコンテンポラリーなものの3パターンを提出しました。

-そこからなぜフィリー・ソウルに?

斉藤:"ノスタルジー"がテーマになっていて。自分の中のノスタルジーの原点は、両親の影響で聴いていたソウル・ミュージックだったんですよね。竹内メンバーがノスタルジーに曲で決着をつけるなら、俺はアレンジで決着をつけようと思ってフィリー・ソウル・アレンジに挑戦しました。難しかったですけどね(笑)。どうも押しが弱かったので、生で録ってみることにして。

-「ヒットチャートをねらえ!」はベースはOKAMOTO'Sハマ・オカモトさん、ドラムはマシータさん、キーボードはSawagiコイチさん、ヴァイオリンはチーナの柴 由佳子さん、パーカッションは西岡ヒデローさんという、豪華メンバーが揃っています。

斉藤:ベース・ラインを作っていたときに"これハマ・オカモト君が弾いてくれたらマジで最高だな"と思ってダメ元でオファーしてみたら快く引き受けてくださって。そういう感じでどんどん曲が転がって大きくなっていきましたね。

-ONIGAWARAは音楽偏差値が高くて、それでいてピュアな印象があったのですが、音楽が好きだという純粋な想いが音楽偏差値を高くしているのでしょうね。楽曲ごとのオマージュも、大胆なものもあれば、ものすごくマニアックなものもありますし。お恥ずかしい話、私は半分も気づけてないだろうなと......。

竹内:大丈夫です、俺も気づいてないです(笑)。(斉藤は)すごく音楽に詳しいんですけど、否定するんですよ。

斉藤:ハマ・オカモト君とか本当に詳しくて足元にも及ばないもん(笑)。でも音楽を作るうえでやましいことは一切ないです。どこをオマージュしたか全部言えるし、怒られたら謝ります(笑)。自分の好きな音楽を自分の曲に混ぜると、楽しいじゃないですか。80年代の歌謡曲なんてほとんど洋楽ですしね(笑)。

-そうですよね。「目立ってます」(Track.5)はVAN HALENの「Jump」(1983年リリースの6thアルバム『1984』収録曲)をモチーフに、ギターも効いた楽曲になりました。

斉藤:パソコンに入ってる"Legendary Jump"という名前のシンセを加工せずに使いました(笑)。竹内メンバーにまるっとギターを弾かせたいなと思ってイントロのリフを作りロック・テイストにして。その曲のギターは全部竹内メンバーに弾かせましたね。そういうふうに"この曲はギターを弾いてもらおう"とか"この曲は竹内メンバーの歌を聴かせよう"とバランスを取っていきました。僕がアレンジを作るときは曲ごとにその曲に合った楽曲のプレイリストを作って、おさらいしていくんですよ。それで"このテイストはいいな"と思ったものを取り入れてアレンジを作っていくんです。

-なんと! やはりあれだけ巧妙なアレンジを作るのには、かなり手が掛かっているんですね。

斉藤:僕が作詞作曲をすることもありますけど、メインで作詞作曲をしているのは竹内メンバーなので。そのぶん自分の役割はちゃんとしたいので、手抜きは一切なしですね。

竹内:今回特に俺は斉藤にアレンジのオーダーをしていないんですよ。いままでは"岡村ちゃん(岡村靖幸)っぽい曲を作ったから岡村ちゃんっぽい曲にして"とか"WANDSっぽい曲だからWANDSっぽくして"と言っていたんですけど、今回俺がまったく人の曲を参考に曲作りをしなくて。「タンクトップは似合わない」(Track.3/2016年6月リリースの1stペンライト・シングル表題曲)とか「ヒットチャートをねらえ!」とか、ほんと自分の思ったことを弾き語りにしたもので。

斉藤:たしかにそうだね。以前は竹内メンバーが曲を作る時点でリファレンスがあった。今回、そういうものは全部俺がやっていたから......そういう意味ではこれまでで一番健康に音楽作りができているのかもね。

竹内:うん。だから今回はノスタルジックだけに頼らない、その先を行く曲が作れたと思いますね。もちろんノスタルジックな手法を捨てたわけではないんですけど、今回は1stフル・アルバムなので、自分の中で気合を入れたものを作りたい――そういう気持ちが強かったです。