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INTERVIEW

Japanese

エドガー・サリヴァン

 

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Member:佐々木 萌(Uta) 坂本 遥(Gt) 高木 祥太(Ba)

Interviewer:秦 理絵

-ミュージシャンズ・ミュージシャンであり、とても聴きやすいポップスでもある?

高木:そうです。だから7周も回る必要はないんですけど(笑)。

佐々木:単なる自己満足じゃなくて、噛み砕いてもみんなが楽しめるようにしたいのは、消したくないところかもしれないですね。

-では、今作『トーキョー・ネイチャー』について聞ければと思います。特にリード曲のTrack.5「BABY-Gを諦められない!」に関しては、前作(2015年リリースの1st EP『あなたに恋をするe.p.』)に比べて、シティ・ポップと言えるほど都会的に振り切った作品かなと思いました。

坂本:たしかに前作に比べると、だいぶ印象は変わったと思います。でも、シティ・ポップをやってるつもりはまったくないです。好きではあるんですけど、各々のルーツを聞くと、影響を受けた音楽にシティ・ポップの要素は全然入ってないんです。

佐々木:タイトルが"トーキョー・ネイチャー"なんですけど、私たちは東京出身ではないんです。ふたりは横浜で、私は北海道。だから歌詞のテーマも東京と対面するようになるんです。東京に馴染んでる部分ではなくて、ネイチャーな部分から見た東京を歌いたいというか。だから音だけを聴くと、都会が似合う曲だとは思うんですけど、歌詞ではビジターとしての視点を書いてる。それは、東京生活が長くなるにつれて自分が変わっていったとしても、これからも大きなテーマとしてやっていきたいと思ってます。

-なるほど。タイトル曲のTrack.1「トーキョー・ネイチャー」は浮遊感があるプロローグみたいな短い曲ですね。これもその想いから作ったんですか?

佐々木:そうなんです。森っぽい感じですね。ちょっと恥ずかしいんですけど、東京の高層ビルがたくさんあるなかに、3人が赤ちゃんみたいにポチョンッて生まれ落ちたイメージなんです。これは7曲目の「2015年宇宙の旅」とシンクロしてて、スタンリー・キューブリックの映画"2001年宇宙の旅"(1968年公開)が元ネタなんですね。その映画では最後に赤ちゃんが出てくるから、その影響も受けてると思います。

-佐々木さんのイメージはメンバーも共有しながら作っていくんですか?

坂本:そうですね。その"ポチョンッ"というイメージをもとに曲を作っていくんです。3人のなかでは彼女が一番ビジター感がありますね。上京した当時、僕らと出会ったときから変わらずにピュアなままなので、芯がブレてなくていいなと思ってます。

高木:僕もその気持ちはわかりつつ、単純に、萌ちゃんが作る音楽の世界観が好きだから、それをメンバーとしてプッシュするという感じです。萌ちゃんが歌うことをイメージして作る。それぞれが違う人間だから、必ずしも共有できているかはわからないですけれど、萌ちゃんのイメージに向かおうとしてる感じはありますね。

-つまりメンバーによって差はあれど、佐々木さんを中心に"外側から見た東京"をテーマに掲げて音楽を届けていくのが、エドサリなんですね。

佐々木:東京との距離感は変わっていくと思うんです。たとえ、いつか本当に東京が似合う子になったとしても、ビジターでいたいっていう気持ちはあるんですよ。だから、表面はシティ・ポップっぽい音楽に聴こえても――

坂本:中身は真逆じゃないかなというぐらい、田舎者なんですよ。

-自分たちで田舎者っぽいと思うのは、どういうところですか?

坂本:スタジオからパソコンのある自宅に作業場が変わって、"自分たちに何ができるんだろう"というのをお互いに探り合いながら、イチから組み直した作品だと思っています。その過程で生まれたすごくたくさんのアイディアが入ってるんです。

佐々木:そこが田舎者っぽい感じだと思うんですよ。余裕でさらっと作っちゃう感じじゃないんです。

坂本:オシャレには作れない。名前は出しませんけどね......Suchmosみたいに。

高木:おいっ! 出してるよ。

佐々木:ああいう音数とか間のセンスとかを、すごくかっこいいなと思いながら。

高木:Suchmosを倒したい気持ちは、俺と遥の念頭にあるんです。

-それはSuchmosを倒したいというよりは、この音楽シーンのなかでSuchmosと同じくらい、あるいはそれ以上に一石を投じる存在になりたいっていうことですよね。

坂本:そういうことです。

高木:それに今回はシティ・ポップじゃない曲もあるんですよね。前作を聴いてから「BABY-Gを諦められない!」を聴くと、"シティ・ポップ"に見られるかもしれないんですけど、アルバムを通して聴くと違う印象になると思うんです。

坂本:僕は"オシャレとか言ってナメんなよ"っていう反骨があるんです。そういう考え方のユニットなんですよ。シティ・ポップが流行ってるって言われてるから、あえて「BABY-Gを諦められない!」以外はギターも結構歪ませましたし、ビートも打ち込みなんだけど、四つ打ちだけじゃなくてBPMが速いのもやってみたり。R&B寄りの曲だけじゃなくて、EDMだったり、エレクトロなものを作ってみたりとか。単純に流行りの"チル"というワードだけに収まらないよう、アレンジには気を遣いましたね。

佐々木:でも、"チルが嫌だ"っていうのが主な目的ではないから、"チルは死ねよ"とかっていう歌詞になるわけじゃない。あくまでそれは、音楽を作るうえでの思想で、歌いたいところは別にあるんですよ。

-全員が曲を書くそうですが、誰がどの曲を書いてるんですか?

佐々木:「電波少年少女」(Track.3)と「2015年宇宙の旅」は祥太が書いていて、それ以外の曲は私が作詞作曲してます。祥太が書いた曲の歌詞に関しては共作ですね。私は歌詞もほぼ完結した状態でデモを提出するんですけど、祥太はワンコーラスだけできたものをポンッと送ってくるんですよ。

高木:サビの歌詞だけ思いつくんですけど、それ以外は苦手で任せています。全部の曲をみんなで昇華していく感じですね。遥はクレジットに載らないけど、他の部分を頑張ってくれてます。