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INTERVIEW

Japanese

speaker gain teardrop

2016年10月号掲載

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Member:ムラカミイッキ(Dr)

Interviewer:白崎 未穂

-ということは、今作の収録曲はこれまで作り溜めたものから選んだ楽曲ばかり?

そうですね。いつもはボツになる曲とかもあるのですが、今回は意外とすんなり完成したように思えます。まずはできた曲をライヴで演奏してみて、それからいい曲かどうかを判断しています。

-今作で非常に気になったのはTrack.4「buzzard」の序盤に出てくる音頭調のリズムです。speaker gain teardropにとっては意外なビートで異質だなと思いましたが、いかがでしょうか?

いいところに気づいてくれました(笑)。3ピースなのでビート的にもいろいろ変えていこうと常に思っているのですが、なかなかしっくりこないことが多いんですよ。その中でもこの曲はしっくりきたかなと思っています。

-今回、新たに挑戦したことはありますか?

新たにということではないのですが、毎作、以前に作った曲とは違う雰囲気を出せるように挑戦しています。

-「buzzard」以外の5曲についても、簡単に聴きどころを教えてください。

今作は曲のバリエーションを揃えてみたつもりなのですが、相変わらずインストなので、聴いてくれる人それぞれのイメージで自由に聴いていただければと思ってます。

-今作は日本の実力派インストゥルメンタル・バンドsgt.が主催しているレーベル"PenguinMarket Records"からリリースされますね。どのような出会いがあったのでしょう?

sgt.とはかなり前からの知り合いで、2001年に広島のweb(※現nuill&un cuento de hadas)というバンドとスプリット・アルバム『cut & paste』を出したときのツアーを通じて東京のライヴで知り合ったバンドです。それ以来、お互い東京に呼んでもらったり、広島に呼んだりして今でも仲良くしてもらってます。気づけばかなり長い付き合いなのですが、今作で初めてPenguinMarket Recordsからリリースさせてもらいました。いろいろと感慨深いものがありますね。

-ところで、ムラカミさんとホリベさんは"カングルワングル"(※現在活動休止中)というヴォーカルがいるバンドの一員でもあり、しかも2015年までspeaker gain teardropに在籍していたウエノケンジさんもメンバーのひとりですよね。カングルワングルはいわゆるヴォーカルありきのバンドですが、speaker gain teardropで活動する場合とカングルワングルで活動する場合というのは挑む気持ちや姿勢の違いはありますか?

カングルワングルはspeaker gain teardropとはまったく異なったバンドですが、意外と新たな発見も多くて、活動していて楽しいです。僕の場合はカングルワングルで演奏するときには歌を際立たせるように、歌いやすいリズムを心掛けてドラムを叩いています。speaker gain teardropの場合は少しフロントマンの気分で叩いています(笑)。

-ヴォーカルがいるバンドではなく、インスト・バンドとして活動するうえでの強みを教えてください。

インスト・バンドの強みは、歌がないので言語が異なる海外の方々にも理解されやすいところでしょうか。逆に難しい点は、普段あまり音楽を聴かない人に"どんなバンドやってるの?"と質問されたときにジャンルの説明に困ります(笑)。

-speaker gain teardropの音楽で、伝えたいことやリスナーに受け取ってほしいことは?

明確な歌詞がないだけに、音楽ジャンルとしての正解がないのですが、聴いてる方にはいろいろとイメージしてほしいです。想像力が豊かな方が人生楽しいと思いますので(笑)。

-広島に生活の基盤を置いているからこそ、この17年間ずっと広島をベースに活動されていると思います。広島で音楽活動をしていて、地元の音楽シーンにはどのような変化を感じますか?

僕らが若いころはあまりジャンルの垣根がなく、ひとつのイベントにいろいろなジャンルのバンドが出演していたのですが、一時期は僕らがやっているジャンルがあまり理解されずにどこかで棲み分けされていた感じもありました。最近は地元でちょっとしたバンド・ブームのような波が来ているので、若い世代のバンドと一緒にライヴをする機会が増えたのはすごく嬉しいです。今の広島のバンドは、昔のように垣根なく地元ならではのオリジナリティ溢れるいいバンドやイベントがたくさんありますので、機会があればぜひ一度広島までお越しいただければと思います。

-この17年間活動している中で一番記憶に残っている出来事はなんですか?

正直、この17年間何も変わってなくてうまく説明できないのですが、17年前と比べると、今の方が圧倒的に音楽活動がしやすい状況です。一番記憶に残っている出来事ではないのですが、ライヴをしてるときにお客さんが思い思いにいい表情でステージを観てくれてるときが自分にとっては一番最高な瞬間です。いろいろしんどいこともありますが、それを見られたら"よし、もっと頑張ろうか"ってなりますね(笑)。

-今後の活動については、どんなふうに考えているのでしょうか? 活動のペース、スタンスには今作をリリースすることで変化はありますか?

やはりメンバーみんな仕事しながらなので、無茶はしにくくなっているのですが、活動のペースを上げてスタンスは広くしていきたいですね。

-最後に、Skream!読者へメッセージをお願いします。

手前味噌ですが、いいアルバムができたと思います! 前作以上に素晴らしいミックスでいい音になってますのでぜひ手に取って聴いてみてください! そしてライヴにも足を運んでいただけたらありがたいです!