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INTERVIEW

Japanese

神頼みレコード

2016年05月号掲載

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Member:トラッシュ山省(Vo) エグチフーフ(Ba) 雷蔵(Dr) ぐぅちゃん(Gt)

Interviewer:岡本 貴之

-鍵盤の音が入ることで、よりしみじみした印象になりますね。

エグチ:そうですね、悲しさに拍車をかけてほしいという狙いもありました。

-Track.11「もし世界を救ったとして」では、失恋した女性に対して引きずっている気持ちを歌っていますが、もし神頼みレコードがものすごく売れて成功しても、こういう気持ちは変わらないと思いますか?

山省:この曲は6年前にバンドを組んで1番最初にできた曲です。僕は漫画や映画が好きなんですけど、さえない主人公に女の子が振り向いてくれる瞬間って、そいつが変身してスーパー・ヒーローになって巨大な敵を倒したりするときじゃないですか? バンドで言えばすごく売れたらっていうことになると思うんです。フラれたときに引きずりはするんですけど、小さい頑張りで振り向いてくれるとは思っていないんですよね。だったら結局自分がわけわからんスーパー・パワーを手に入れるしか戻ってきてもらう方法はないんだろうなって。前向きになれる気持ちでそれを引きずっているというか(笑)。

エグチ:失恋ソングの中でも、"よりを戻そうぜ"というベクトルがないんですよ。"ちょっと見直してくれるかな"っていう感じで(笑)。

-それぞれ思い入れのある曲があれば教えてください。

エグチ:全部思い入れがあるんですけど、ひとつ挙げるとしたら「僕のカノン」(Track.3)ですね。山省が一時期、似たような曲しか作れなかったときがあって。難産の末にポロッと生んだのがこの歌メロだったんです。でも、このメンバーで初めて作ったときに、どのビートも乗らなかったんですよ。今までの曲って簡単にどこかのリズムが当てはまっていたので、深くこだわったことがなかったんですけど、まだドラムの雷蔵のことをあんまり知らんのにすごく考えた曲なので、雷蔵がどんなドラムを叩くのか急速にわかっていったし、今のメンバーで最初に作った曲という意味で思い入れがありますね。

雷蔵:僕は「心の闇」(Track.7)です。レコーディングのときにこの曲を何回か録り直していて。"この曲短いから大丈夫ですよ"って最初に言っておきながらめっちゃみっともない姿を見せてしまったので、自分に怒りを覚えながら叩いているんですけど、あとでCDで聴いたらこのテイクが1番良くて、気に入っていますね(笑)。それと「僕のカノン」はサビを山省さんと僕で一緒に歌っているんですが、世代の違う人が同じ青春を一緒に歌っているのが面白いなと思うので聴いてみてほしいですね。

ぐぅちゃん:ギターの僕だけあとで録った「ずっと友達でいる事はなんて難しいんだろう」(Track.10)は思い入れあります。最初はギターで歌う感じで、リズムは後ノリでグワングワンな感じで弾いて一発OKだったんです。そういう気持ち良かった瞬間が完全に入った感じの曲かなって思っています。

エグチ:このアルバム、今までと違う点で言うとクリックを使わなかったんですよ。ミスしたらパンチインして直すというのはドラム以外ならできるんですけど、それもなくて。その理由は、今の勢いと温度感をパッケージングせな、と思ったから。クリックは使わずに、ミスっているけどこの躍動感のあるドラム、ベースは入れようって採用している音もあるんです。この勢いをぜひ聴いてほしいですね。今までの作品よりも温度感が詰め込まれているので。

-6月11日(土)には主催サーキット・イベント"神頼みフェス'16"が大阪のアメリカ村にあるライヴハウスなど5会場を使用して行われますが、どんな内容なんでしょうか?

エグチ:去年、愛はズボーンとプププランドとTHE BOSSSの"SUMMERズボップくん2015"というイベントに僕らも出させてもらったんです。あの3組の熱を感じて、"自分らでシーンを作るぞ"っていう企画に僕らも交ぜてもらったんですけど、やっぱりそういうイベントを作り上げるのってすごいなと思って。"神頼みフェス'16"はネームバリューがある先輩や、背伸びしたメンツを集客のために呼ぶんじゃなくて、自分らと横並びのバンドで寄って集まってデカいことを起こそうというイベントなんです。これに関してはすごく思いがあるんですけど、"あのイベント、身内ノリやな"ということを言っているのをよく見るんですが、身内ノリってなんやねん?って思うんですよ。たぶんアーティストだけでウェイウェイ楽しくやっているってことだと思うんですけど、そこにお客さんがいて、出演しているバンドが好きっていうお客さんが生まれて増えていったら、それってシーンやなって思うし、シーンの始まりは身内ノリだと思うんです。だから、もう友達だけを集めるイメージで"関西で1番大きい身内ノリ"をやってやろうと思ったんですよ。そこで僕らだけでどれだけの力を出せるのか、"旗は俺たちが振ろう"という感じで開催を決意しました。

-今後はどんな活動をしていきたいですか。

山省:カッコいいものに自分がなれへんと思うんじゃなくて、"あいつくらいにならなれるわ"って、手を引っ張れたらいいなって思います。高校生の男の子が僕のことを見て、そう感じるようになってくれたら嬉しいなと思いますね。

エグチ:チャンピオンの席には座りたくないな、というか常に挑戦者でいたいですね。音楽シーンに殴り込むっていう姿勢はやっと今年から持ち始めたかなと。今まで、好きなことをやってるから、ついてきてっていう感じだったんですけど、今はすごく闘争心が湧いていますし、"神頼みフェス'16"を始め"こんなことやったるぞ!"っていろんなことに挑んでいこうという気持ちです。みなさんぜひ、『出来るやってみたい』を聴いて、ライヴを観に来てください!!