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INTERVIEW

Japanese

ザ・チャレンジ

2016年01月号掲載

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Member:沢田チャレンジ(Vo/Center)

Interviewer:吉羽 さおり

-ええ、ええ。

結構インタビューをする方によって、真っ二つに分かれるんですよね。だから面白くて。知らない人は知らないし、それはそれでいいんですよね。

-いいと思いますよ。これまでのキャリアを知らなくても楽しめるし。どういう人なんだろうとかいろんな想像する楽しさもあると思うんですよ。入り口はいろいろありますよね、音楽はもちろん曲のタイトルからしても飛ばしているし。

一度聴いたら覚えられるタイトルにしたいんですよね。自分自身、よくライヴを観に行くんですけど、例えばフェスや対バンのライヴを観に行って、30分で6曲聴いたとき、その6曲のタイトルを覚えていることってほとんどなくて。それはみなさんが1曲1曲を最適化していくことで、そんなにタイトルにインパクトを求めなくなっちゃっているということだと思うんですけど。僕の場合、6曲やってその6曲すべてのタイトルを覚えてもらえるライヴをしたいし、そういう曲作りをしたいと思っていて。タイトルのインパクトや曲のフックはこだわって作っていますね。

-ライヴで一体化して歌える、踊れる楽しさはもちろんありますが、ザ・チャレンジの音楽を聴いたときに思い浮かぶのが、カラオケで画面にパッとこのタイトルが出たときに、そのタイトルだけでもすでに笑えたり、"なんだ?"っていうインパクトもある。

僕自身、2001年~2011年くらいの10年間の記憶がいんですよ。たぶん、宇宙人にさらわれていたんじゃないかなって思うんですけど、ぽっかりとその時代の記憶がなくて(笑)。音楽的な体験もその10年間はほとんど入ってきていないんですよね。それでいうと2000年代ってフェス文化とか、ダンス・ミュージックの影響がより一層強くなってきたタイミングだと思うんですけど、当時の文化があまり自分の中にインストールされてない感じがあって。まさにカラオケというのは近いなと思うんですけど、90年代にあった、ロック・シーンもそうだし、J-POPシーンでも、みんなが口ずさめる曲がたくさんあったあの時代の感覚が結構残っていて。それを今2010年代にやってるから、ちょっと他のバンドと違って見えているのかなって思いますね。

-いわゆるダンス・ミュージックの捉え方も、今の四つ打ちでというノリや雰囲気とは違いますね。

そうですね。フェスの装置になろうっていう気持ちは自分の中にないんです。

-デビュー・シングルのときには、小西康陽さんのリミックスがあったり、ピチカート・ファイヴ感もあったり。渋谷系の雰囲気もさりげなく練り込まれていたりする。

やっぱり渋谷系のテイストは入れていますね。でもメンバーのバックボーンがそれぞれ違って、逆に言うと渋谷系を通っていたのは沢田チャレンジくらいで。タラコチャレンジはUSインディーとかUKロックの色が強かったりとか、みんなそれぞれ違うのが面白かったりするんですよね。ヤンキーチャレンジは普段はバキバキのダンス・ミュージックをやっていたりするので。

-そこは、それぞれの味も出してもらってるんですかね?

たぶん、勝手に出ちゃっている感じですね。ベースにしても、曲調に合わせたベース・プレイをしているんだけど、彼自身の持ち味がバキバキだったりするので(笑)。それはそれで面白くなっているのかなという気がしますね。だから、5人でライヴやってるときはすごく楽しいんですよね。この5人だからできてる感じはすごくある。

-今作の中でみんなで作り上げながらも難しかった曲などありますか。

"アミューズメントパーク"がテーマだったので、Track.4「愛のロケット」がジェットコースターっぽい曲で、Track.5「メロメロ」がお化け屋敷っぽくてというイメージがあるんですけど。遊園地っていろんなアトラクションがあって遊園地だけど、やっぱり1曲で全体を象徴する曲がなくちゃダメだっていう気持ちがあって。そういう全体を象徴する曲と、遊園地から帰るときの独特の感じがあるじゃないですか。楽しかったけど寂しいなみたいな。その帰る感じをどう曲に落とし込めばいいのかなということは考えて。Track.12「オレオマエフェスティバル」が、1曲で『ザ・チャレンジランド』を象徴するような曲になって。Track.13「大きな世界」という曲で、楽しい時間は必ず終わってしまうけど、それは悲しいことじゃないんだよっていう日常とのリンクを描いています。僕たちには音楽があって、ライヴがあって、それがあれば楽しい時間にはいつだって戻ってこれるし、そういう体験があるからこそ日常が頑張れるんじゃないの?っていうことを曲にしたかったんですよね。ただ単に現実逃避ということじゃなくて、"日々生きるための糧としてアミューズメントっていうのがあるんじゃないの"っていうことを表現したくて。だから、"現実逃避イエーイ!"っていうのをやりたかったわけではないんです。

-「オレオマエフェスティバル」、このタイトルがまた面白いですね。

逆におうかがいしたいんですけど、どう思いますこのタイトル? タラコチャレンジが作ってきた曲にこの歌詞を載せたとき、メンバー全員の"ええ~?"っていうリアクションがもう。チャレンジオノマック(Vo/Gt)なんかは、"俺この歌詞、歌いたくないっす"とか言ってて。初めて歌詞のダメ出しをされて(笑)。いやいやこれはほんといい歌詞なんだよって、説得したんですけど。このタイトルだめですかね?

-インパクトありますよ(笑)。

そうかあ、いいタイトルだと思うんだよなあ。ふたりでもフェスティバルなんだよっていうことなんですよ。"あなたわたし"じゃダメなのかとメンバーに言われたんですけど、"いや、「オレオマエ」がいいんだよ"っていう。"オレ、オマエ、トモダチ"みたいな、カタコトな感じになるようなね。これいいタイトルだなと思うんですよねえ。もう半年この曲と付き合ってるので、メンバーも違和感なくなっていますけど。お客さんもそんなに"何?このタイトル"ってならなかったんですけど、もうみんなマヒしているんですね(笑)。

-ザ・チャレンジというバンドを知るとしっくりきます(笑)。

ほんと、ここからザ・チャレンジはどうしていけばいいですかねえ? 2016年どう思いますか。

-まずは『ザ・チャレンジランド』を引っ提げてジャパン・ツアーがあるじゃないですか(笑)。

そうですねえ。僕たちまだまだ世に知られてないんですよ。それで誤解されているところもあって。誤解というのはおかしいかもしれませんけど、こういうヴィジュアルとかをやっちゃうので、音楽的には真っ当なロック・バンドだということが、スッと身体に入ってこない方もいるみたいなので(笑)。少しずついろんなイベントに出て、誤解を解いていきたいなとは思ってます。あとはランドまで作っちゃったので......まあ、次は"ザ・チャレンジシー"という、海をテーマにしたアミューズメントパークを作ろうと思ってるんですけどね(笑)。"愛とチャレンジの海へっようこそ"っていう(笑)。うん、それだな。