Japanese
ビレッジマンズストア
2014年05月号掲載
Member:水野 ギィ (Vo) 加納 靖識 (Gt) Jack(Ba)
Interviewer:岡本 貴之
-長年の活動で音楽性の変化は大きいですか?
水野:ああ、大きいと思います、それは。今思ってることも全然違うし、前作と比べて今作をどういう気持ちで作ったかというのも。いやらしい言い方をすれば"何を狙っていきたいか"とかちょっとずつ変わってきたし、誰に聴かせたいかも毎回違うし。どういう場面で歌いたいかというのも変わってきたんで。でもだからこそ幅が広がったんだと思います。
Jack:うん、それはそうだね。
-中学の頃からバンドマンになりたいって思ってましたか?
水野:俺はずっと思ってました。メンバーが5人いてバンドやろうってなった時から、1回も疑ったことがないんですよ。音楽だけやって生きていこうということを。
加納:俺は単純に楽しいだけで良かったんですよ。ただ楽しいことをずっとやっていくためにはどうしたら良いのかっていう発想にはなりますけど。だからエレキ・ギターを初めて鳴らした時の気持ちは変わらないですね。その気持ちのままずっとやってますね。
Jack:僕はやるからにはずっと続けないと意味がないなと思ってましたね。
-僕の世代だとバンド・ブームでみんな一斉にギターを始めたんですけど、Fが押さえられなくてやめちゃう、みたいな感じだったんですよ。だから中学から一緒にやってるって羨ましいですよ。
水野:ああ、でもあんまりいないかもしれないですね。俺はどっちかというと、Fが押さえられない奴がいたらメンバーに"あいつそろそろギターいらなくなるよ"って言ってましたけど(笑)。
一同:(笑)
加納:なんか周りが音楽を辞めていくとかいうことも気にならなかったんですよね。楽しかったから。
水野:うん、ハタチ過ぎてからも変わってないよな?
-これまでと違ってレーベルに所属して作品を出すことについてはどのように感じていますか?
水野:楽曲はみんなが丁寧に作ってくれてるのがわかってたんで、そこに心配はなかったし、戸惑いとかは全くないんですけど、今回初めてスピーカーの向こうにいる人たちの存在を意識しましたね。ライヴで言う"いけ~!"っていう言葉に重さがないとか、なんて無責任なんだろうと思って。だから今回は歌詞を書くのに凄く時間がかかって。書きたくないことを書くことによって自分の嫌な部分や汚い部分、弱い部分が見えるから、それが恥ずかしいし、出したくなくて凄くつらかったんです。自分のイメージの"やれ~!"とか、これまで歌ってきたことは本当にみんなが聴きたい言葉かなって。"いけ、やれ"っていう言葉自体は間違いではないと思うんだけど、そこに重みがないといけないなって。そこに行きつくまでの言葉が今までなかったんです。だから書きたくないなと思いながら、ファミレスで3日間とか帰らないで注意されながら歌詞を書いてました(笑)。
-え?3日間ずっとファミレスで?
水野:ずっと(笑)。注意されて、ごめんなさいってお金払って家に帰って服を着替えてからまた戻ってきて(笑)。
一同:ははははは
水野:1曲書くまで絶対帰らんぞって決めてて。書きたくないからやめてた言葉を横に書いてたんですよ。それを絶対入れなきゃいけないと思って。
-それは今回のアルバム『刃の上を君と行く』の中でいうと例えばどの曲に反映されていますか?
水野:「地獄のメロディ」、「眠れぬ夜は自分のせい」とか、今回のアルバムを通して同じことしか言ってないんですよ。現状とか自分が朝起きてから寝るまでのそれだけのことで。でもそれを言わないと伝わらないのかなと。いわゆる名刺ですよね、わかりやすく言うと。
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