Overseas
FUN.
2012年08月号掲載
Member:Nate Ruess (Vo) Jack Antonoff (Gt) Andrew Dost (Gt&Ba&Piano)
Interviewer:沖 さやこ
-音の作り方はヒップホップ的ですが、音楽性はヴァリエーションに富んでますよね。どういう音楽を目指して楽曲を作ってらっしゃるのでしょうか。
N:やっぱり、わくわくしながら音楽を作れるかどうか。一番のカギはそこだと思うんだよね。今まで作業してきた中でも、この3人が技術的にかなり幅広く網羅出来るってことは実感しているんだ。だけど、それを"やろう!"っていう気持ちになるかどうかっていうのは、インスピレーションが湧くかどうか、自分たちがエキサイト出来るかどうかっていうところだと思うんだよね。そのわくわく感を保っていくっていうのが、最終的な目標なんじゃないかなぁって思ってるよ。
-曲を作る上で譲れないことなどはありますか?
N:特にこれっていうのはないんだよなぁ。歌詞に関しては、アルバムを作るたびにそうなんだけど、どんなことを書こうかなあって凄く悩むんだ。客観的な姿勢で、例えば"この通りの向こうにいるあいつのことを書いてみよう、あいつは今何を考えているだろう......"とかそういうところから歌詞を書いてみようとするんだけど、僕は物凄くナルシストだから(笑)、最終的には曲を書くことで自分の悩みを解決していくような書き方しか出来ないんだよね。それはそれでいいと思っているんだけどね。
J:逆に僕らは何も意識しないし考えないんだ。それが一番いいんじゃないかって思ってるんだよね。自然体がベストだと思っているんだ。でもね、僕らだって勿論いろんなことをやってみようって気持ちはあるから、あっちこっちに手を出すんだよ。でも面白いことに、最終的に戻ってくるのが自然体の自分たちなんだ(笑)。歌詞についてNateが説明してくれたけど曲に関しても同じで、いろいろ挑戦してみても結局いつものやり方に戻っちゃうんだよね。ただやっぱり、インスピレーションとかそういうもので違うものを求めたいって気持ちはあるよ。
-美しいコーラス・ワークや、曲にスケール感があることも影響して、QUEENと比較されることも多いですが、これについては皆さんどう思ってらっしゃるのでしょう?
J:最高に贅沢な悩みだと思うよ! 逆に"ありがとう"って感じだよね(笑)。
N:いろんなバンドが世の中には溢れているけれど、その中から出てきた名前が世界最高のバンドであるQUEENっていうのは何も文句言うことはないよ。でも、僕らがスタジオでQUEENみたいな音を意識して作っているわけじゃないんだ。自分たちの頭の中にはQUEENの名前はなかったのに、出来上がった音を聴いてそう言ってもらえるっていうのは凄く嬉しいことだよ。でも、意識してやってたらこうはなってなかったんじゃないかなと思うけどね。
J:他に比較の対象がないからなんじゃないかな。"他にこういう音出してるバンドいたっけ?"って考えたとき......割とメイン・ストリームな音で、ポップでロック......あ、QUEENじゃない?って感じで名前が出ちゃうと思うんだよね。
N:"QUEENだけのオーディエンス"っていうのが出来上がっているバンドっていう意味でもQUEENは凄く尊敬できるから、異議はないね。
-世界ツアーでお忙しいと思いますが、新曲の制作はいかがでしょう?
N:本当に忙しくて、全然書けてはいないんだ。でも"次のアルバムを作る"って考えるだけでも楽しみだよ。このアルバムを作る時もそうだったんだけど、ふっと何かがひらめく瞬間っていうのが結構あるんだ。インスピレーションというか、どこからともなく歌詞もガンガン湧いてきて、何枚も何枚も書けちゃったり......そういう瞬間が時々あるから、次もいいのが出来そうな気がしてるよ。
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