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INTERVIEW

Overseas

FOSTER THE PEOPLE

2011年11月号掲載

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Member:Cubbie Fink(Ba&Vo)  Mark Foster(Vo,Key,Gt,Prog&Per)

Interviewer:伊藤 洋輔  Interpreter : 国田 ジンジャー


-パフォーマンスではステージにシンセサイザーが4台くらい並んでいましたが、やはりFOSTER THE PEOPLEのキーとなるはシンセですか?

C:そうだね、重要な楽器だね。僕たちの音楽の大部分はエレクトロニックだけど、オーガニックとエレクトロニックとの心地良いブレンドだと思っているよ。サンプリングではなく、出来る限り生で演奏したものをやりたかったから、シンセにサポートメンバーを器用したんだ。

-曲を作る時はシンセで作曲しますか?それともギターでしょうか?

C:Markが最初にアイディアをコンピューターでプログラミングした楽曲かメロディか何かを僕たちに聴かせて、そこから楽器を入れて曲にしていくパターンがほとんどなんだ。そこから進歩していくって感じだな。何を捨てて、何をそのまま曲になるように作って行くかとかそうやって決めていくよ。

-では、アルバム『Torches』のレコーディングはいかがでしたか?プロデューサーにはPaul EpworthからRich Costey、Tony HofferにGreg Kurstinと豪華な名が連なっていますが、彼らとの作業は大きな経験となりましたか?

C:確かにそうだね。彼らはマスターだし、非常に尊敬している人たちなので一緒に仕事が出来て光栄だよ。同じ部屋にいるだけですごく学ぶことが多いんだけど、彼らの仕事の仕方がすごくプロで、正直ビビったよ。でも本当にいい経験になったと思うな。

-どの曲をどのプロデューサーにやってもらうとか、そういうのは事前にメンバーと話し合うのですか? どんなレコーディングにしたいかとか。詳しく教えてください。

C:“どの曲を誰にやってもらおうか”ではなく “どのプロデューサーがどの曲をやりたいか”だったんだ。彼らに選んでもらったんだよ。好きな曲を選んでもらうことによって、みんな情熱的になれた。それぞれにユニークなスタイルがあって、その違いを見るのも楽しかったな。ただ、4人が手がけてくれることで、サウンドがバラバラになるんじゃないかっていう不安はあったよ。でも最終的にはまとまりのあるすごくバランスのいい作品になったよね。

-大ヒットしている「Pumped Up Kicks」は去年からネット上で話題になっていたわけですが、書いた当時“スペシャルな曲が出来たな”という実感はありましたか?

Mark Foster(以下M):う~ん……そうだね、僕はすごく気に入っていたよ。ハッキリ言ってバンドの音楽は全部好きだからね(笑)。でもまさかヒットになるとは思わなかったな。こんなにビッグな曲になるとはね。

-孤独な少年が殺戮に走る……というストーリーは、どんな風に生まれたんですか? 社会的なメッセージ・ソングとして? それとも、孤独な少年に共感を覚えた?

M:間違いなく両方の面を含んでいると思うよ。銃による暴力にすごく心を痛めていたということがひとつあったし、そういう事件がどんどん増えていることに不安を感じているからね。それと同時に、こういう状況にあって、こういう妄想を膨らませている少年の日常を描いてみたかったんだ。いかにしてひとりの少年がこんな風に精神的に壊れてしまうのか、心理学的な部分に僕自身、すごく興味をかきたてられた。そして、そこに人々の関心を喚起したかったんだよね。

-不穏な歌詞の内容に対して、サウンドは至ってアップ・ビートですよね。意図的に対比させているんですか?

M:う~ん、どうだろう、基本的に僕らの曲はどれもそうだからね。答えはノーだと思う。先にメロディと曲を書いて、あとで歌詞を綴ったし……。たまたまアップ・ビートになったというわけでもないけれど。

-他の曲でも同様に、自分ではないキャラクターの視点から書くことが多いんですか?

M:自分の体験から題材をとるよりも、キャラクターを立てて歌うほうが多いかってこと? 多分半々だと思うよ。

-そんな歌詞/ストーリーのインスピレーション源はどこに求めるのでしょう?

M:やっぱり僕らの周辺の人々の人生から引用しているよ。何かと向き合っている人、何らかの苦難の渦中にある人について書くことが多いね。もしくは、人生が一変する岐路に立っている人だったり。そういうストーリーに、個人的に惹かれるんだ。たいていの場合、曲のサウンドの方向性が、どんなストーリーを伝えたいかをインスパイアしてくれるから、いつも先に曲を書くんだ。そして、それが様々なフィーリングを喚起するのさ。もしくは、ふとあるキャラクターが頭に思い浮かんで、それが曲の主人公になったりすることもあるよ。

-LA出身のバンドが大々的にブレイクしたのは久し振りですが、あなたたちの音楽にLA的/カリフォルニア的なクオリティはあると思いますか?

M:うん。『Torches』を“サマー・アルバム”もしくは“サザン・カリフォルニア・アルバム”と表現する人がすごく多いんだ。曲を書いていた時に、僕はそんなこと全然意識していなかったけれど、何の不思議もないよ。僕自身すでに10年間LAで暮らしているし、LAの空気は間違いなく作る音楽にも影響を与えているからね。

-LAではあなたたちが属するシーンみたいなものがあるんでしょうか?

M:いいや、僕らは孤高の存在と言っていいんじゃないかな(笑)。

-ハハハ。来年には来日公演が予定されていますが、日本ではどんなショウを期待できますか?

M:エネルギー値が最高に高くて、汗だくで、楽しくて、踊れて、クレイジーなライティングのショウを期待していて欲しいな。僕らは音楽を通じて人々に喜びを与えて、インスパイアしたいと思っているからさ。

-では最後の質問です。あなたの夢は何でしょう?

C:いい質問だ(笑)。まあ、細やかだけど今夢を実現させている最中だと感じているんだ。音楽を続けて、世界中を回りたいという夢は昔からあったしね。ここからはもっと腕を磨いて、もっと多くの人に自分たちの音楽を聴いてもらいたいな。人の世話をして、音楽や自分たちにある才能を使ってもっと多くの人を幸せにしてあげたいと思ってるよ!