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INTERVIEW

Overseas

EBONY BONES!

 

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Member:EBONY BONES

Interviewer:榎山 朝彦  TRANSLATOR:原口 美穂


-パンクからの影響と同様に、グラム・ロックからの影響も公言されていますね。ライヴなどで見られる、エキセントリックな衣装ひとつにしても、その影響は感じさせられます。EBONYがグラム・ロックから受け継いだと感じているエッセンスを、教えて下さい。

(グラム・ロックをグラウンド・ロック=THE VELVET UNDERGROUNDの時代にアンダーグラウンド界で活躍したバンド達、と聞き間違えて)
アンダーグラウンドの世界の音楽にはメッセージがあると思うの。ああ言った音楽は、決して自己満足の音楽じゃないわ。だから人は無頓着ではいられないの。初めはあまり分からなくても、よく振ってみると真のメッセージが見えてくるでしょ。アンダーグラウンドのアーティスト達はそういうものを作って、人に伝えるのが上手いのよ。彼らってそういう面でパンクだと思うわ。音楽に限らず、Andy Warholなんかもその一人だと思う。あの時代って、そういうアーティストの集まりがあったわよね。当時の出来事に皆インスパイアされて、ああいう素晴らしい作品がたくさん生まれたんだと思う。周りの出来事に対する自分の考えに基づいて何かを作って、人々に見事にメッセージを伝えた彼らってすごいと思うわ。

-二曲目の「We Know All About U」は、不穏な空気を感じさせるベースラインと、ファンキーなリズムとの絡み合いが最高なナンバーです。この曲をデビュー・シングルに選んだ理由を教えてください。

ヴァイナルとしてってことかしら?500枚限定でリリースしたのよね。去年の話だけど。ダウンロードもできなくて、ヴァイナル限定だったの。「We Know All About U」は、George Orwellの「1984」に刺激を受けて、私自身が今の社会に対して何を思っているかを表現した曲よ。私たちって、どこでだって監視されているような気がしたの。ロンドンでは一日に3000回もCCTV(監視カメラ)に遭遇するのよ。私にとって、それはとてもショックなことだわ。だって本当にそれが必要なことなのかわからないじゃない?それがちゃんと問われないまま、ロンドンに限らず色々な場所でそういった監視活動が急速に広がっているの。こういうのがどこまで許されるべきなのか、制限すべきなのかを考えずにね。IDカードだってそう。必要なときも当然あるけど、社会が私たちの全部を常に知っていなければならないってわけではないと思うのよね。

-三曲目の「Story Of St.ockwell」では人種問題について、五曲目の「In G.O.D. We Trust (Gold, Oil & Drugs)」では資本主義社会について歌われています。それぞれについて、リリックの内容を紐解くコメントをいただけますか?

「In G.O.D. We Trust (Gold, Oil & Drugs)」は、アメリカがブッシュの支配下にあった時の大企業や資本主義に対する思いを書いた曲よ。この中にでてくるGODは、ちょっと違うものを象徴した神なの。お金の神様が果たしてこの世にいるのか、お金持ち達はいったい何を崇拝しているのかっていう疑問について歌ってるの。それはお金なのか、石油なのか、それともドラッグなのか、あなたたちはいったい神の何を賛美しているの?っていう疑問よ。
「Story Of St.ockwell」にでてくるストックウェルはイースト・ロンドンにある街。ロンドンの中でも比較的都会ね。ブリクストンの近くなの。そのエリアには移民が多く暮らしてるのよ。内輪のジョークで、それぞれのエリアにあだ名があるんだけど、その中のひとつがセイント・オックウェルなの。ストックウェルのことね。あと例えば、ブリクストニアはブリクストンになるわけ(笑)でもそのエリアで、ロンドンでテロが起こった時期に悲しい出来事があったのよ。無実の人が、地下鉄で何人もの人が見てる中、警官に射殺されたの。あの事件は、その被害者の家族だけじゃなく、ロンドン全体を落胆させたわ。その人はロンドンで生まれ育った人なのに、肌の色や見かけだけで、外から来たテロリストだと誤解されたの。何も考えず、見た目で勝手にそういう判断を下すなんてひどすぎるわよね。移民の人たちがこの国の成長に貢献してる部分も大きいのに。あの事件以来、みんなそれについて考えるようになったの。だから私も自分の思いを曲にしたのよ。